イメージトレーニングで脳卒中患者の動きが改善?
脳卒中後の麻痺を改善する方法として、近年では改善したい動作をイメージするイメージトレーニングが注目を集めています。今回はイメージトレーニングにより腕の機能が向上するか検証した研究を紹介します。
◆イメージトレーニングが腕の機能に及ぼす効果
脳卒中患者24名が対象となりました。運動をイメージするグループと従来のリハビリを行うグループの2つのグループにランダムに12名ずつ分けられました。運動をイメージするグループは従来のリハビリに加え、4週間に渡り、日常生活に関係のある18個のイメージ課題を1回30分間(合計9時間)行いました。4週間後の腕の機能が計測され効果判定されました。
◆イメージトレーニングで腕の機能が改善
以下の結果が得られました。
運動イメージグループのテスト後のFugl-Meyer Assessmentの上肢のスコアはコントロールグループよりも
有意 に高かった。特に、運動イメージグループにおいて肩と手首の下位項目の改善が示された。
従来のリハビリを行うグループと比較して、日常生活に関係のある動作をイメージするグループにおいて腕の機能が改善しました。特に肩と手首の機能が改善しました。
動作をイメージした時の脳は実際の動作をしている時の脳と似た活動をすることがこれまでの研究で示されています。日常生活に関係のある動作をイメージすることで、動作を行った時に脳の活動が高まりやすく、従来のリハビリよりも改善がみられたのかもしれません。スポーツ選手がイメージトレーニングをするように脳卒中後のリハビリをする時にイメージトレーニングをすることは
執筆者
Motor imagery training improves upper extremity performance in stroke patients.
J Phys Ther Sci. 2015 Jul.
[PMID: 26311968]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。