脳梗塞の原因にもなる「感染性心内膜炎」は早く手術したほうがいい?

感染性心内膜炎は、心臓の中にある構造を細菌が破壊していく病気です。発熱などのほか、心不全や脳梗塞などを起こします。早い時期に手術した結果についての研究報告がまとめられました。
◆21件の研究を統合
感染性心内膜炎では、心臓の中に感染した
治療には
ここで紹介する報告は、過去の文献を集める方法で、感染性心内膜炎に対して20日以内に手術治療を行ったときの結果を調べたものです。
文献の検索により21件の研究が見つかり、データが統合されました。
◆手術をしたほうが死亡が少ない
統合したデータから、次の結果が得られました。
保存的 管理に比べて、外科的介入を7日以内に受けた患者では全死因死亡のオッズ比は0.61(95%信頼区間0.39-0.96、P=0.034)であり、8日から20日の間で外科的介入を受けた患者では死亡のオッズ比は0.64(95%信頼区間0.48-0.86、P=0.003)だった。
20日以内に手術を行った場合、同じ時期に手術を行わなかった場合に比べて、全体として死亡が少なくなっていました。
感染性心内膜炎は決してまれではなく、大きな危険に結び付いています。こうした研究結果が、最適な治療を選ぶ役に立つかもしれません。
執筆者
Early versus late surgical intervention or medical management for infective endocarditis: a systematic review and meta-analysis.
Heart. 2016 Feb 11. [Epub ahead of print]
[PMID: 26869640]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。