2016.02.27 | ニュース

鯖のコラーゲンが22種類の魚のアレルギーを起こす?

アレルギー患者の検査から

from Allergy

鯖のコラーゲンが22種類の魚のアレルギーを起こす?の写真

卵や牛乳のほか、魚も人によって食物アレルギーの原因になります。魚に含まれる物質のうち、コラーゲンがどの程度アレルギーに関係しているのかが検討されました。

◆魚アレルギー患者は、コラーゲンに反応しているか?

研究班は、日本人の魚アレルギー免疫反応によって、体が過剰な防御反応を起こして悪影響が生じてしまう状態がある患者を対象として、魚のコラーゲンに対する抗体白血球が作り出す、免疫の一部を担う物質。体内の病原体に付着して、他の免疫細胞の働きを助けたりする(IgE抗体)の検査を行いました。

コラーゲンは多くの動物が作っている非常にありふれたタンパク質です。魚もコラーゲンを持っていますが、魚の種類ごとにコラーゲンの種類も少しずつ違っています。

魚のコラーゲンがアレルギーを起こしうることは以前の研究で指摘されていました。魚アレルギーにはほかの原因物質もあり、パルブアルブミンというタンパク質も人によって魚アレルギーを起こします。

魚のコラーゲンに対するIgE抗体を持っている人は、コラーゲンが原因で過剰な免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患反応が起こり、アレルギーの症状が出やすい体質と考えられます。

 

◆コラーゲンの抗体は50%の人にあった

魚アレルギー患者の検査から次の結果が得られました。

魚アレルギーがある日本の患者のうち50%は、サバのコラーゲンに対するIgEを持っていること、対して44%がサバのパルブアルブミンに対するIgEを持っているという結果だった。IgE阻止試験から、サバのコラーゲンは22種類の魚に対する高い交差反応性があることが示された(阻止率87%-98%)。

サバのパルブアルブミンに対するIgE抗体がある人は対象者のうち44%でしたが、サバのコラーゲンに対するIgE抗体は50%の人が持っていました。さらに、サバのコラーゲンに対するIgE抗体がある人では、ほかの22種類の魚に対してもアレルギー反応が見られました

研究班は「これらのデータは、日本で消費される魚において魚のコラーゲンが重要かつ非常にありふれた広汎アレルゲンアレルギー反応を起こす原因になる物質のこと。代表的なものは、ダニ、ハウスダスト、花粉、そば、卵、金属などであることを示す」と結論し、さらに「対象者にコラーゲンアレルギーが高い率で見られたことは、生魚を消費する日本の伝統的習慣によって説明できるかもしれない」と考察しています。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

Fish collagen is an important panallergen in the Japanese population.

Allergy. 2016 Jan 19. [Epub ahead of print]

[PMID: 26785247]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。 [執筆者一覧]