◆PCOSの人にはどんな皮膚症状が多いのか?
この研究は、アメリカのサンフランシスコにある施設で、PCOSの疑いがあり受診した401人の女性を対象に行われました。診察で見られた皮膚の症状と、診断基準に従って最終的にPCOSと診断されたかどうかが統計解析されました。
◆多毛、にきび、黒色表皮腫
次の結果が得られました。
PCOSの診断基準を満たさなかった女性に比べて、基準を満たした女性は、多毛(53.3% [144 of 270] vs 31.2% [15 of 48]、P = .005)(修正Ferriman-Gallweyスコアの平均値はより高く、8.6 vs 5.6、P = .001)、にきび(61.2% [164 of 268] vs 40.4% [19 of 47]、P = .004)、黒色表皮腫の率がより高かった(36.9% [89 of 241] vs 20.0% [9 of 45]、P = .03)。
PCOSと診断された女性では、多毛、にきび、黒色表皮腫の症状がより多く見られました。黒色表皮腫は皮膚が乳頭のような形状に厚く、硬くなり、黒褐色の色素沈着がある状態です。
研究班はこれらの結果から「多毛と黒色表皮腫は最も信頼できるPCOSの皮膚の特徴であり、診断のために包括的な皮膚の検査を必要とする」と結論しています。
執筆者
Cutaneous Findings and Systemic Associations in Women With Polycystic Ovary Syndrome.
JAMA Dermatol. 2015 Dec 23. [Epub ahead of print]
[PMID: 26720591]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。