老化による力の衰え「フレイル」は術後1年以内の死亡率に関係するか?

フレイルとは、健康な状態と要介護状態の中間の虚弱状態を指します。フレイルの状態にある患者は、大きな手術を受けた場合、術後30日以内の短期間に死亡するリスクが高いという研究があります。では、長期的にはどうでしょうか?
◆カナダ・オンタリオ州の集団を調査
カナダのオンタリオ州でフレイルが心臓以外の大きな手術後1年の死亡率に関連するかについて調べられました。
地域に居住する65歳の高齢者の中から、心臓以外の大きな手術を受ける患者に対して、フレイルであるかどうかを診断しました。そして、予定されていた大きな手術を受けた患者について、1年間追跡し、死亡した人が何人いるかを調べました。
◆フレイルは死亡率の関連する
202,811人の患者のうち、3.1%がフレイルと診断されました。フレイルと診断された人の13.6%、フレイルと診断されなかった人の4.8%が手術後1年以内に死亡しました。
フレイルと術後経過時間の交互作用から、術後3日においてフレイル患者で死亡の相対危険度の増加が示された(ハザード比35.58;95%信頼区間29.78-40.19)。
統計解析の結果、フレイルと診断された人のほうが、術後死亡率が高くなっていました。
フレイルにならないために、日ごろから体を鍛えたり、栄養のあるものを食べたりして健康を維持することが大事だと思われます。
執筆者
Association of Frailty and 1-Year Postoperative Mortality Following Major Elective Noncardiac Surgery.
JAMA Surg. 2016 Jan 20.
[PMID: 26791334]
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