若い成人男性の生活習慣の改善がもたらす効果

2型糖尿病や高血圧は生活習慣と深く関わっています。生活習慣に関連する病気の治療として、喫煙、栄養、アルコール、運動、肥満(SNAPO)に対する治療の効果が、過去の臨床試験のデータから検討されました。
◆SNAPOの治療に関する過去の臨床試験
過去の臨床試験からデータを集め、治療の結果をまとめて検証しました。データを集めるときには18歳~35歳の若い男性のみを対象としたものを選びました。
過去の臨床試験10件について調べました。その内訳は、栄養について治療の必要な人たちを調べた試験(2件)、アルコール摂取について治療の必要な人たちを調べた試験(6件)、複数のSNAPOを治療する必要がある人たちを対象とした試験(2件)でした。そのうち6件では、短期的に治療の効果が良かったのですが、その影響は試験期間が終わった後は調べられていない(3件)、その後の追跡が6カ月以下(2件)、または6カ月よりも後では効果が持続していない(1件)というものでした。全体として、これらの試験には、結果にかたよりがある可能性がありました。
◆SNAPOには質の高い治療が必要
若い成人男性では、短期間では生活習慣の改善による効果が得られました。しかし、治療後6カ月を過ぎても有効というデータは見つかりませんでした。
短期間でも治療により改善がみられるので、生活習慣に不安のある若い男性は、治療を受けることに意味はあるかもしれませんが、それだけで安心はできないのかもしれません。
執筆者
A systematic review of SNAPO (Smoking, Nutrition, Alcohol, Physical activity and Obesity) randomized controlled trials in young adult men.
Prev Med. 2015 Sep 13
[PMID: 26375965]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。