日本発、潰瘍性大腸炎に有効な飲み薬
潰瘍性大腸炎は、大腸の内側に炎症が起き下痢や腹痛が起きる病気です。これまでの薬では完治が難しい場合もあり、新薬の開発が期待されていました。今回の研究では、日本の研究チームが潰瘍性大腸炎に対する飲み薬の有効性を検証しました。
◆日本発の飲み薬の有効性を検証
潰瘍性大腸炎の治療は、大きく分けると薬治療と手術があります。薬治療では
今回の研究では、中等度の潰瘍性大腸炎の患者102人を対象に、AJM300の有効性を検証しました。AJM300は、1日3回、8週間飲みました。
◆AJM300は潰瘍性大腸炎に有効
以下の結果が得られました。
8週間時点での臨床的応答率は、AJM300群で62.7%、プラセボ群で25.5%であった(オッズ比5.35、95%信頼区間2.23-12.82、p=.0002)。
進行性多巣性白質脳症を含め、重篤な有害事象はなかったが、さらなる調査により薬の安全性を確認する必要があった。
AJM300を服用した群では、病状が改善した人が多いという結果でした。また、重篤な副作用は見られませんでした。
潰瘍性大腸炎は日本で10万人以上の患者がいると言われています。さらに安全性や有効性が検証されれば、治療の選択肢として含まれるようになるかもしれません。
執筆者
Safety and Efficacy of AJM300, an Oral Antagonist of α4 Integrin, in Induction Therapy for Patients With Active Ulcerative Colitis.
Gastroenterology. 2015 Dec
[PMID: 26327130]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。