2015.11.01 | ニュース

先天性心疾患がある子どもでも、スポーツ中の突然死はいなかった

ノルウェーの子ども1万人のデータから
from European heart journal
先天性心疾患がある子どもでも、スポーツ中の突然死はいなかったの写真
(C) Snezana Skundric - Fotolia.com

生まれつき心臓の形に異常がある子どもは、幼いうちに手術などの治療を必要とすることがあります。成長していく中で、スポーツをすることに危険はあるのでしょうか。ノルウェーの子どものデータの解析が行われました。

◆ノルウェーの子どものデータを解析

研究班は、ノルウェーの疾患登録データベースを使って、先天性心疾患を持って生まれた子どものうち、2歳から18歳で突然死がどの程度起こったかを調べました。

 

◆スポーツ中の死亡はゼロ

次の結果が得られました。

先天性心疾患がある11,272人の子どものうち、心臓手術と関係なく、2歳から18歳で予期しない突然死を迎えた子ども19人(0.2%)が同定された。身体運動中に死亡した例はなかったが、スポーツの最中に心停止が起こり生存した子どもが2人いた。

先天性心疾患がある子ども1万人あまりのうち、2歳から18歳での突然死は0.2%に起こり、そのうちにはスポーツをしているときに死亡した子どもは1人もいませんでした

研究班はこの結果から、「先天性心疾患がある子どもが身体運動中に予期しない突然死を迎えることはめったにない」と結論しています。

 

先天性心疾患には多くの種類があり、それぞれ治療法や気を付けるべきことは違いますが、いま知られている範囲を超えて過剰にスポーツを恐れることはないのかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Sudden unexpected death in children with congenital heart defects.

Eur Heart J. 2015 Sep 4 [Epub ahead of print]

[PMID: 26341891]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。