2015.11.05 | ニュース
誤嚥性肺炎が起きやすいのはどんなときか?
日本の研究チームが高齢者9,930人を分析
from PloS one
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日本における死亡の原因3位は肺炎で、そのうち誤嚥性肺炎で死亡する例も多いと言われています。今回の研究は、誤嚥性肺炎の危険性を増す要因を検証しました。
◆誤嚥性肺炎の発症の危険性を増す要因を検証
誤嚥性肺炎は、食べ物などが誤って気管から奥に飲み込まれてしまうことにより起こる肺炎で、高齢の人などでは死因になりやすく、日常のケアで注意が必要と言われています。
今回の研究は、日本全国の調査研究に参加した9,930人を対象としました。対象を、過去3ヶ月で誤嚥性肺炎になった患者とそうではない人の2群に分け、様々な要因との関連性を検証しました。
◆誤嚥性肺炎の危険因子は痰の吸引処置、嚥下機能の悪化、脱水、認知症
以下の結果が得られました。
多重ロジスティック回帰分析において、傾向スコアで調整後(それぞれ258人)の誤嚥性肺炎に関連する
危険因子 は、痰の吸引処置(オッズ比3.276、95%信頼区間1.910-5.619)、過去3ヶ月の嚥下機能の悪化(オッズ比3.584、95%信頼区間1.948-6.952)、脱水(オッズ比8.019、95%信頼区間2.720-23.643)、認知症(オッズ比1.618、95%信頼区間1.031-2.539)であった。
誤嚥性肺炎の
- 痰の吸引処置
- 過去3ヶ月の嚥下機能の悪化
- 脱水
- 認知症
誤嚥性肺炎による死亡を防ぐためには、このような要因に注意することも重要かもしれません。
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参考文献
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。