2015.10.31 | ニュース
脳の手術で電気鍼は何に効くのか?
ランダム化比較試験により検証
from The American journal of Chinese medicine
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脳腫瘍の手術後、痛みや吐き気などの症状が現れることがあります。今回の研究では、そのような症状に対して、手術中の電気鍼にどのような効果があるか検証しました。
◆脳腫瘍の手術中に電気鍼を行う群と行わない群にランダムに振り分け
今回の研究は、脳腫瘍の切除術を行った88人を、手術中に電気鍼を行う群と行わない群にランダムに分けました。
電気鍼を行う群は、手術を行う場所と同じ側の、親指の付け根や手首、足の内側などを刺激しました。またどちらの群も手術後に、患者の自己管理で痛み止めを注射しました。
◆電気鍼を行うと術後の痛みは減り、めまいや術後の吐き気など改善
以下の結果が得られました。
手術後最初の6時間では、平均の全ボーラス注射量、PCIAボラース注射の効果時間、VASスコアはEA群のほうが大幅に低かった(p<0.05)。
EA群では、手術後24時間以内の吐き気や嘔吐の発生率、非回転性めまいの程度、頭の腫れた感覚が対照群よりも大幅に低かった(p<0.05)。
脳腫瘍の手術中に電気鍼を行った方が、その後の痛みや吐き気などの症状がより少なかったという結果でした。
脳腫瘍の手術後は、痛みなどの症状が普通数日程度続きます。もし今回のような電気鍼が有効であれば、そのような症状の改善に役立つかもしれません。
執筆者
参考文献
Electro-acupuncture decreases postoperative pain and improves recovery in patients undergoing a supratentorial craniotomy.
Am J Chin Med. 2014
[PMID: 25169910]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。