運動は子どもの骨に影響するか?
子どもは運動することで骨が丈夫になるとよく言われますが本当でしょうか?今回の研究では、これまで研究されてきた運動と骨の丈夫さの関連について、いくつかの論文をまとめて、どのような傾向にあるか報告されました。
◆骨密度、骨塩量に対する運動の効果を検証
今回の研究は、過去に子どもの骨密度や骨塩量に対する運動の効果を検証した22の論文をまとめました。
これらの論文は、3歳から18歳を対象とし、治療期間は3ヶ月から36ヶ月の研究でした。 運動は、筋力トレーニングやジャンプ動作といったものが行われていました。
◆運動をすると骨密度は高くなり、骨塩量が多くなる
以下の結果が得られました。
全身(0.8、95%信頼区間0.3-1.3、p=0.003)、大腿骨頸部(1.5、95%信頼区間0.5-2.5、p=0.003)、
脊椎 (1.7、95%信頼区間0.4-3.1、p=0.01)において、介入群と対照群の間の骨塩量の割合変化の平均差(95%信頼区間)は有意 であり、骨領域間の差は見られなかった(すべてp>0.05)。大腿骨頸部(0.6、95%信頼区間0.2-1.1、p=0.006)と脊椎(1.2、95%信頼区間0.6-1.8、p<0.001)において、対照群よりも介入群で、骨密度の割合変化がより大きかった。
子どもにとって、運動を行うと骨密度が高くなり、骨塩量も多くなるという結果でした。その効果は、特に高齢になったときに骨折しやすい大腿骨頚部(股関節の骨)と
時々、運動する子どもが減ってきているというニュースを耳にします。骨が丈夫でなければ骨折の危険性も増える可能性があるため、将来に向けた予防という観点からも、運動を行うことは良いことなのかもしれません。
執筆者
Does Exercise Influence Pediatric Bone? A Systematic Review.
Clin Orthop Relat Res. 2015 Jul 25
[PMID: 26208606 ]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。