2015.09.05 | ニュース

自分で指圧を行うと、虚血性心疾患のうつ症状や幸福感が改善する?

ランダム化比較試験により検証

from PloS one

自分で指圧を行うと、虚血性心疾患のうつ症状や幸福感が改善する? の写真

心筋梗塞などの虚血性心疾患では、うつ症状や生活の質(QOL)の低下が問題となることがあります。今回の研究では、虚血性心疾患の患者が指圧を行ったところ、うつ症状と幸福感に改善が認められたことを報告しました。

◆指圧を行う群と通常ケアを受ける群の2群にランダムに分類

心筋梗塞後に心臓の手術(経皮的冠動脈形成術または冠動脈バイパス手術)を受けた経験がある患者213名を、指圧を行う群と通常ケアを受ける群の2群にランダムに振り分けました。

指圧は、患者自身で胸部と背中の上部に行いました。

 

◆指圧を行うとうつ症状は軽減し、幸福感が増える

以下の結果が報告されました。

MDIは指圧を行った群で6.5ポイントまで22%減少したのに対し、通常ケア群では8.3ポイントまで12%減少した(p=0.040)。

WHO-5は、指圧を行った群で71.0、通常ケア群で64.8まで増大した(p=0.015)。

心筋梗塞で心臓の手術を行ったことがある患者が、指圧を行うと、うつ症状や幸福感が改善しました。

 

胸と背中を指圧することで、うつ症状や幸福感が改善するメカニズムは不明です。この研究からだけでは断定的な結論は言えませんが、今後研究が進むことで有用な方法のひとつになるかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

The effect of daily self-measurement of pressure pain sensitivity followed by acupressure on depression and quality of life versus treatment as usual in ischemic heart disease: a randomized clinical trial.

PLoS One. 2014 May 21

[PMID: 24849077]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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