2015.09.01 | ニュース

心房細動を予防、心臓の手術の後のランジオロール

60人のランダム化試験
from The Journal of thoracic and cardiovascular surgery
心房細動を予防、心臓の手術の後のランジオロールの写真
(C) Sherry Young - Fotolia.com

不整脈の一種の心房細動は、それ自体が心停止の原因になることはまれですが、心臓の中に血の塊ができることで脳梗塞の原因になります。心臓の手術のあとにランジオロールという薬を使うことにより、心房細動を予防する研究が行われました。

◆手術後の患者60人が対象

ランジオロールはβ遮断薬という種類の薬で、血圧を下げ、心拍数を抑える作用があります。β遮断薬は、心拍数を抑える作用から、不整脈の治療にも使われることがあります。心臓の手術の後は心房細動が起こりやすいと言われていますが、この研究では、手術のあとにランジオロールを使うことにより、心房細動を予防できるかどうかを調べました。

心臓の手術を受けたあと、心臓が血液を全身に送り出す力が弱くなっている人60人が対象となりました。対象者はランダムに、ランジオロールを使って治療される群と、ランジオロールを使わないで治療される群に分けられ、手術後1週間以内に心房細動が起こるかどうかを調べられました。

 

◆ランジオロールで心房細動減少

次の結果が得られました。

心房細動はランジオロール群の患者3人(10%)に対して対照群の12人(40%)に起こり、頻度はランジオロール群のほうが有意に低かった(P=0.002)。

どちらの群でも、静脈内点滴が低血圧または徐脈により中止されることはなかった。

ランジオロールを使った群のほうが、心房細動発症が少なくなっていました。血圧や心拍数が下がりすぎたことにより治療中止となった人はいませんでした。研究班は「この静脈内β遮断薬は左室機能不全のある心臓外科患者の周術期管理に有用と思われる」と結論しています。

 

脳梗塞の予防は大きな課題です。ランジオロールが脳梗塞の予防に結び付くかどうか、またほかのβ遮断薬との違いなどについてさらに確かな情報が得られれば、治療の役に立つかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Safety and efficacy of landiolol hydrochloride for prevention of atrial fibrillation after cardiac surgery in patients with left ventricular dysfunction: Prevention of Atrial Fibrillation After Cardiac Surgery With Landiolol Hydrochloride for Left Ventricular Dysfunction (PLATON) trial.

J Thorac Cardiovasc Surg. 2015 Jul 10 [Epub ahead of print]

[PMID: 26254752]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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