2015.08.25 | ニュース

運動療法をしながら足に電気刺激を行うと、脳卒中後のバランス、歩くスピードが改善

ランダム化比較試験により検証
from Medical science monitor : international medical journal of experimental and clinical research
運動療法をしながら足に電気刺激を行うと、脳卒中後のバランス、歩くスピードが改善 の写真
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経皮的電気刺激(TENS)は足や手、腕などに電極を貼り付け、電気を流すことで神経や筋肉を活性化する方法です。今回の研究はこの手法を脳卒中患者に実施したところ、バランス機能や歩行能力が改善したことを報告しました。

◆足に電気刺激を行う群と行わない群にランダムに振り分け

慢性期の脳卒中患者34名を、電気刺激群と対照群にランダムに振り分け、効果を検証しました。電気刺激は、1週間に5回、1回30分の運動を行っている間に実施しました。

治療効果として、痙縮、バランス能力、歩行能力を評価しました。痙縮とは、神経の障害により、足が固くなり、急に足を刺激すると痙攣のような振動が見られることです。

 

◆電気刺激により、痙縮、バランス能力、歩行能力が改善

以下の結果が得られました。

痙縮はTENS群で0.80ポイント改善した。

静止立位バランスと動的バランス中の前後および内外側への動揺速度が、TENS群とプラセボTENS群の間で有意な差が認められた(p=0.000)。 歩行速度と歩行率はTENS群で有意に強化された(p=0.000)。

脳卒中患者に電気刺激を行うと、痙縮、バランス能力、歩行能力が改善しました。

 

脳卒中患者の多くは、バランス能力や歩行能力が障害されます。これらが改善することで、日常生活をより安全に送ることができるかもしれません。神経の障害に対するひとつのリハビリテーション手法として、今後の検証が待たれます。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

The effects of exercise with TENS on spasticity, balance, and gait in patients with chronic stroke: a randomized controlled trial.

Med Sci Monit. 2014 Oct 10

[PMID: 25300431]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。