2015.08.23 | ニュース

肩腱板断裂の治療は手術、保存的治療のどちらがいいか?

オランダ56人のランダム化試験

from Journal of shoulder and elbow surgery / American Shoulder and Elbow Surgeons ... [et al.]

肩腱板断裂の治療は手術、保存的治療のどちらがいいか?の写真

肩に強い力が加わったときなどに、「腱板」という筋肉の集まりが傷ついてしまい、動かしにくさや痛みの症状を起こすことがあります。治療として手術する場合としない場合の効果を比較する研究が行われました。

◆手術と保存的治療を比較

肩腱板断裂の手術以外の治療には、固定、鎮痛薬、リハビリテーションなどの保存的治療があります。研究班は肩腱板断裂の患者56人を対象として、手術か保存的治療かでランダムに分けて治療を行いました。

 

◆痛み、機能障害が手術で改善

治療後12か月で、肩を動かせる範囲や力などの総合スコアには違いが見られませんでしたが、次の点で違いがありました。

VASで見た痛み(P=0.04)、VASで見た機能障害(P=0.02)は12か月のフォローアップ時点で手術群で有意に低かった。

手術をしたグループのほうが、患者の自己申告による痛みと機能障害の程度が軽くなっていました

 

手術をするかしないかで治療として実際に行うことは大きく違います。ここで見られた結果の違いは、治療のための負担などとあわせて、治療法を選ぶ参考になるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Comparing surgical repair with conservative treatment for degenerative rotator cuff tears: a randomized controlled trial.

J Shoulder Elbow Surg. 2015 Aug

[PMID: 26189808]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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