2015.08.16 | ニュース

脂肪肝の診断に腹部エコーはどの程度有用なのか?

メタアナリシスにより検証
from Hepatology (Baltimore, Md.)
脂肪肝の診断に腹部エコーはどの程度有用なのか? の写真
(C) joshya- Fotolia.com

脂肪肝の検査に腹部エコー(超音波検査)が使われることは一般的になってきましたが、その歴史的背景には、診断の正確性や再現性が検証されてきたことがあります。今回は、その検証結果をまとめた2011年の論文を紹介します。

◆過去の論文から腹部エコーの有用性を検証

今回の研究は、過去の研究のなかから、脂肪肝に対する腹部エコーの診断能力について検証した49論文を選び、まとめました。

 

◆腹部エコーは確定診断、除外診断ともに有効な検査

調査の結果、以下のことを報告しました。

中等度の重症度である脂肪肝の検出に対する腹部エコーの全体としての感度特異度、陽性尤度比、陰性尤度比は、組織学診断(ゴールドスタンダード)と比較して、それぞれ84.8%(95%信頼区間79.5-88.9)、93.6%(87.2-97.0)、13.3(6.4-27.6)、0.16(0.12-0.22)であった。

中等度脂肪肝の診断に対する腹部エコーは、脂肪肝がないときの93.6%を正しく脂肪肝ではないと判断し、脂肪肝があるときの84.8%を正しく脂肪肝であると判断できる、有効な検査法であるという結果でした。

筆者らは、「腹部エコーは、組織学診断と比較して、中等度の重症度である脂肪肝の検出について信頼でき正確である。腹部エコーは、低いコスト、安全性、使いやすさから、臨床および全人口に対しても、脂肪肝に対するスクリーニング検査として選択の余地がある画像技術となるかもしれない。」と結論付けています。

 

NAFLD/NASH診療ガイドライン2014』には、「腹部エコーは、中等度以上の脂肪沈着の有無に対して高い診断能を持ち、非アルコール性脂肪肝疾患の診断に有用である。」と記載されています。この背景には、検査方法の過去の論文をまとめて、どのような傾向があるかという全体像を確認する必要性があり、今回紹介した論文はその点で材料のひとつとされているものです。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Diagnostic accuracy and reliability of ultrasonography for the detection of fatty liver: a meta-analysis.

Hepatology. 2011 Sep 2

[PMID: 21618575]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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