脂肪肝の診断に腹部エコーはどの程度有用なのか?

脂肪肝の検査に腹部エコー(超音波検査)が使われることは一般的になってきましたが、その歴史的背景には、診断の正確性や再現性が検証されてきたことがあります。今回は、その検証結果をまとめた2011年の論文を紹介します。
◆過去の論文から腹部エコーの有用性を検証
今回の研究は、過去の研究のなかから、脂肪肝に対する
◆腹部エコーは確定診断、除外診断ともに有効な検査
調査の結果、以下のことを報告しました。
中等度の重症度である脂肪肝の検出に対する腹部エコーの全体としての
感度 、特異度 、陽性尤度比、陰性尤度比は、組織学診断(ゴールドスタンダード)と比較して、それぞれ84.8%(95%信頼区間79.5-88.9)、93.6%(87.2-97.0)、13.3(6.4-27.6)、0.16(0.12-0.22)であった。
中等度脂肪肝の診断に対する腹部エコーは、脂肪肝がないときの93.6%を正しく脂肪肝ではないと判断し、脂肪肝があるときの84.8%を正しく脂肪肝であると判断できる、有効な検査法であるという結果でした。
筆者らは、「腹部エコーは、組織学診断と比較して、中等度の重症度である脂肪肝の検出について信頼でき正確である。腹部エコーは、低いコスト、安全性、使いやすさから、臨床および全人口に対しても、脂肪肝に対する
『NAFLD/NASH
執筆者
Diagnostic accuracy and reliability of ultrasonography for the detection of fatty liver: a meta-analysis.
Hepatology. 2011 Sep 2
[PMID: 21618575]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。