2015.08.31 | ニュース

脂肪肝が本当に危ない状態かどうか、血液でわかる検査

NASH/NAFLDを判別、AUC0.844

from Hepatology (Baltimore, Md.)

脂肪肝が本当に危ない状態かどうか、血液でわかる検査の写真

非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は肝硬変に進行しうる危険な状態と考えられていますが、より危険が少ない状態と見分けるためには肝臓の組織を取り出す生検が必須とされています。より負担の少ない検査でNASHを見分ける試みが報告されました。

◆血液で判定

NASHは非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の一部で、肝臓の組織に線維化や風船様変性と呼ばれる特徴的な変化が起こります。研究班は、NAFLDの患者の生検の結果から、NASHがあるかどうかと、血液中の物質の関連を調べました。

 

◆Fuc-HptとMac2bpに特徴

血液中の物質のうち、Fuc-Hptの量が風船様変性と関連し、Mac2bpの量が線維化と関連していました。これらの測定値から計算した指標でNASHを予測できるかを調べたところ、次の結果が得られました。

評価コホートでは、このNASH診断モデルのROC-AUCは0.844であり、感度71.4%と特異度82.3%が得られた。

NASHが実際にあるときの71.4%を正しく見つけ出し、実際にはNASHではないときの82.3%を正しくNASHではないと判定できました

 

生検は肝臓の組織を取り出すため体に傷をつけなければなりません。血液検査である程度判定できれば、NASHが疑われた人にとって、検査のための負担を減らすことにつながるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

A novel noninvasive diagnostic method for nonalcoholic steatohepatitis using two glycobiomarkers.

Hepatology. 2015 Jul 21 [Epub ahead of print]

[PMID: 26199205]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る