◆脂肪肝との関連性を検証
今回の研究は、2,083名の日本人を対象に、超音波検査によって診断した脂肪肝と、高血圧や脂質異常症との関連を調査しました。
◆脂肪肝には高血圧が関連する
調査の結果、以下のことがわかりました。
脂肪肝の割合は、肥満ではない患者(BMI、体格指数26.0kg/m2未満)の男性で3.3%、女性で3.8%、肥満患者(BMI26.0kg/m2以上)の男性で21.6%、女性で18.8%であった。
脂肪肝は、男性では高コレステロール血症、高中性脂肪血症と、女性では高血圧、高コレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高中性脂肪血症、糖尿病または糖耐能異常(DM+IGT)と、年齢、肥満、喫煙、飲酒に関わらず有意に関連していた(すべてp<0.01)。
脂肪肝は男女とも肥満の人に多く、脂質異常症、高血圧などが関連していました。
筆者らは、「脂肪肝の発生割合は、高齢の男女ともに同じであり、冠動脈疾患のリスク因子と独立して関連している。」と述べています。
『NAFLD/NASH診療ガイドライン2014』という、脂肪肝の診療ガイドラインで引用されている論文でした。このように、脂肪肝とさまざまなリスク因子の関連を検証することで、次の治療に関する知見に結びつく、重要な論文です。
執筆者
Correlation between fatty liver and coronary risk factors: a population study of elderly men and women in Nagasaki, Japan.
Hypertens Res. 2001 Jul
[PMID: 11510744]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。