2015.08.14 | ニュース

尿管結石を排出、アルフゾシンの効果は?

システマティックレビューによる検証

from PloS one

尿管結石を排出、アルフゾシンの効果は?の写真

比較的小さい尿管結石の治療に、薬で結石の排出を促す方法があります。アルフゾシンという薬の効果について、これまでの研究をまとめて検証した結果が報告されました。

◆過去の論文を検証

研究班は、これまでの研究から、10mm未満の尿管結石の治療としてアルフゾシンの効果を調べたものを集め、結果を統合しました。

 

◆排出に効果あり、副作用も

次の結果が得られました。

アルフゾシンは対照治療に比べて、完全排石率が有意に高く(リスク比1.85、95%信頼区間1.35-2.55、P<0.001)、結石排出までの時間が短かったが(加重平均差-4.20日、95%信頼区間-6.19から-2.21、P<0.001)、合併症率がより高かった(リスク比2.02、95%信頼区間1.30-3.15、P<0.01)。

アルフゾシンを使うことで、結石が排出される割合が大きく、排出されるまでの時間が短くなると見られました。ただし、有害な出来事の頻度は、アルフゾシンを使わないときよりも高くなっていました。

研究班はこの結果から、「アルフゾシンはα遮断薬を使わない治療法よりも有効である」、ただし「この分類の薬剤を使うときは有害作用を常に念頭に置くべきである」と結論しています。

 

結石が尿管に詰まってしまうと、激しい痛みがあり、感染症の原因にもなります。詰まりを解消するために水を多く飲むなどの方法もありますが、薬でより確実に対処できれば、助けになる場面があるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Efficacy and Safety of Alfuzosin as Medical Expulsive Therapy for Ureteral Stones: A Systematic Review and Meta-Analysis.

PLoS One. 2015 Aug 5

[PMID: 26244843]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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