◆デンマークのデータから
研究班は、デンマークの全国的診療データから、乾癬および乾癬性関節炎の患者とぶどう膜炎の患者の情報を取り出し、統計解析を行いました。
乾癬性関節炎は乾癬の皮膚の症状と、関節の痛みなどの症状がともなう病気です。ぶどう膜炎は、目の茶色い部分にあたる虹彩と、そこからつながった毛様体・脈絡膜という部分に起こる炎症で、目の病気以外にも全身の病気の一部として現れることがあります。
◆発症率に関連あり
次の結果が得られました。
乾癬および乾癬性関節炎の患者74,129人とぶどう膜炎の患者13,114人を同定した。
ぶどう膜炎の調整発症率比は軽度の乾癬がある人で1.38(95%信頼区間1.11-1.70、P=0.02)、重度の乾癬がある人で1.40(0.70-2.81、P=0.34)、感染性関節炎がある人で2.50(1.53-4.08、P<0.001)だった。ブドウ膜炎がある患者では、軽度の乾癬の発症率比は1.59(1.32-1.91、P<0.001)、重度の乾癬の発症率比は2.17(1.40-3.38、P<0.001)、乾癬性関節炎の発症率比は3.77(2.66-5.34、P<0.001)だった。
乾癬がある人はその後ぶどう膜炎を発症する率が高く、ぶどう膜炎がある人はその後乾癬を発症する率が高いという関連が見られました。
乾癬とぶどう膜炎の間で、病気が起こるまでの過程に何かの共通点があるかもしれません。病気の予防や効果的な治療に向けて、こうした傍証が病気の原因を明らかにするためのヒントになるかもしれません。
執筆者
Association of Psoriatic Disease With Uveitis: A Danish Nationwide Cohort Study.
JAMA Dermatol. 2015 Jul 29 [Epub ahead of print]
[PMID: 26222707]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。