肝硬変になっていなくても、肝臓がんはできる!リスクが大きかった人は?

肝細胞がんの経過として、ウイルス性肝炎などがしだいに進んで肝硬変に至り、そこからがんができるのが典型的ですが、当てはまらない例も多くあります。アメリカで肝細胞がんがある人を調べたところ、13%では肝硬変がないと見られました。
◆肝細胞がんがある人1,500人のデータから
肝細胞がんは肝臓にできる
研究班はアメリカの調査データから、肝細胞がんの患者1,500人の情報を取り出し、肝硬変やほかの健康状態について集計しました。
◆メタボ、非アルコール性脂肪肝炎では肝硬変がなくても肝細胞がんが多い
次の結果が得られました。
肝細胞がんの患者1,500人のうち、計43人(2.9%)に、肝硬変がないレベル1の
所見 があり、151人(10.1%)には肝硬変がないレベル2の所見があった。残りの1,203人(80.1%)には肝硬変が確かめられた。肝硬変がある肝細胞がん患者に比べて、肝硬変の所見がない肝細胞がん患者では、メタボリックシンドロームがある、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)がある、またはリスク因子 が同定されない割合がより大きかった。
肝硬変がない人が、肝細胞がん患者のうちおよそ13%と見られました。特にメタボリックシンドロームまたは非アルコール性脂肪性肝疾患がある人は、肝硬変がなくても肝細胞がんがある割合が大きくなっていました。
肝硬変は肝細胞がんが非常に
執筆者
Hepatocellular Carcinoma in the Absence of Cirrhosis in US Veterans is Associated with Non-Alcoholic Fatty Liver Disease.
Clin Gastroenterol Hepatol. 2015 Jul 18 [Epub ahead of print]
[PMID: 26196445]
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