尿検査で動脈硬化を早期に診断、アルブミンから見えた変化

動脈硬化は全身の血管で同時に進み、心臓のほか腎臓などさまざまな臓器の異常を起こします。韓国の研究班が、尿に含まれるアルブミンというタンパク質が正常範囲でやや高い人に、動脈硬化が進んでいる場合が多かったことを報告しました。
◆2型糖尿病患者が対象
研究班は、2型糖尿病の患者を対象として、尿検査と
◆アルブミンに関連あり
検査値の解析から次の結果が得られました。
アルブミン/クレアチニン比の三分位によって区分すると、上腕-足首脈波伝播速度が大きいこと(アルブミン/クレアチニン比が小さい群から順に16.8%、20.0%、38.2%、P<0.001)、頚動脈粥状硬化(46.9%、55.4%、64.7%、P<0.001)、頚動脈狭窄(12.7%、16.0%、30.1%、P<0.001)がアルブミン/クレアチニン比とともに増加する傾向があった。
尿中のアルブミンが相対的に多いほど、動脈硬化が進んでいる傾向が見られました。
研究班は「正常高値アルブミン尿は2型糖尿病において
動脈硬化は元に戻ることはなく、狭心症などの症状が出てからでは、手術など負担の大きい治療が必要になることがあります。動脈硬化を早い段階で発見できれば、さらに進行するのを抑える予防や治療が効果的に使えるかもしれません。
執筆者
High normal albuminuria is associated with arterial stiffness and carotid atherosclerosis in Korean patients with type 2 diabetes.
Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2015 Aug
[PMID: 25921847]
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