2015.08.05 | コラム

大変!?こどもがたばこを食べちゃった!〔小児科に行く前に〕

たばこ誤飲の対処法!
大変!?こどもがたばこを食べちゃった!〔小児科に行く前に〕の写真
(C) cédric PONGE- Fotolia.com

子どもは何でも口に入れます。特に生後6か月以降は少しずつ自分で動くこともでき、自分の手でいろいろなものを掴み、口に持っていきます。よくあるのがたばこの誤飲です。今回はたばこの誤飲について解説し対処法を解説していきます。

まず、たばこの誤飲を解説する前に、「こどもの手の届くところにたばこを置かないようにしましょう。」ということをお伝えしておきます。子どもは、何が食べ物なのかはわかりません。しっかりと保護者の方がお子さんの動く範囲の環境を整備し、危険なものが口に入らないようにする配慮が一番大事になります。

もし、たばこを食べてしまった場合、次の2点をしっかりと頭に入れておいていただくとよいと思います。

  1. 顔色不良、嘔吐などの症状が出ている場合、たばこを2cm以上食べてしまった場合たばこを浸した液体を飲んでしまった場合には、胃洗浄が必要なため、医療機関を受診しましょう。
  2. 4時間たって症状が出なかったら、問題はほぼありません。

この2点を踏まえたうえでもう少し詳しく解説してきます。

 

◆たばこを飲み込むとどれぐらい危険?

日本では、間違って乳幼児がいろいろなものを飲み込んでしまう(誤飲)事故の頻度が他の国と比べて高い傾向にあります。これは、床に直接座って生活するスタイルが低い位置にものをおく習慣としてあるからと言われています。その中で、一番多いのは、「たばこの誤飲」です。

年齢的には、17か月以下の乳幼児が多く、特に生後6か月から11か月児に最も多いと言われています。市販の紙巻たばこ1本中には16〜24mgのニコチンが含まれています。ニコチンは非常に毒性が強く、致死量は、成人では40〜60mg、幼児では10〜20mgです。

しかし、たばこに含まれるニコチンは胃の中では、酸性の状態となるため、ニコチンが葉っぱから溶け出したり、吸収されるのに時間がかかる特徴があります。また、ニコチンが吸収されると、嘔吐を引き起こす作用があるため、過度に吸収され重篤な症状となることはまれと言われています。

しかし、たばこを水に浸すと、30分程度でたばこの葉に含まれるニコチンが100%溶け出るため、灰皿などのたばこの吸い殻が浸った液体を摂取してしまうと、ニコチンが大量に吸収されてしまい、重篤な中毒症状が出ることがあります

 

◆たばこを摂取したときの中毒症状

  • 吐き気、嘔吐
  • 口の中が焼けるような感じ
  • 唾液分泌の増加
  • 腹痛、下痢
  • 顔面蒼白
  • 興奮
  • 頭痛
  • 手足の震え
  • 冷や汗
  • めまい
  • 視力障害
  • 呼吸が速くなる

といった症状が出ることがあります。

またかなり重篤な場合には、

  • 呼吸困難
  • 全身の痙攣
  • 呼吸停止

といった症状が出ます。

症状が出現するのは、摂取してから、嘔吐に関しては10〜60分以内、その他の症状は2〜4時間以内と言われています。4時間以上たっても、無症状の場合には、その後症状が出てくることはほぼありません。

 

◆たばこを食べてしまったことに気づいたら?

たばこの中の成分であるニコチンに対しての治療薬(解毒薬)は存在しません。たばこの誤飲に気づいたら、いつ、どのくらい、どのような状態で摂取したかを確認し、その時点で吐き出させることが原則です。たばこの葉や吸い殻を誤飲した場合、牛乳など水分をとらせないようにしましょう。胃の中の酸性度が低くなってしまい、たばこの葉からニコチンが溶け出しやすい状態になってしまいます。

家でできることとしては、まずは乳幼児の口の中のたばこをかきだし、乳幼児を床の方を向かせて、手を口の奥に入れて嘔吐を誘発させます。しかし、乳幼児の場合、たばこを口の中に入れても実際に飲みこんでしまう量は少なく、ある程度吸収され始めても、ニコチンの嘔吐を誘発する作用により吐き出してしまう例が多いとされています。

しかし、食べたたばこが2cm以下の場合には、そのまま様子を観察し、摂取後4時間は経過を見て、特に症状が出なければ問題ありません。上記に挙げたなんらかの症状が出てしまった場合や、2cm以上食べてしまったり、たばこを浸した液体を飲んでしまったら、胃洗浄が必要になりますので、医療機関を受診して下さい。

 

こどもの誤飲で一番重要なのは、「予防」です。飲み込んで危険なものは極力お子さんの手が届くところにおかないように心がけましょう。普段の生活環境の整備もお子さんの健康を守る重要な要素ですので、是非一度身の回りの見直しをしてみるのもいいでしょう。

 

【編集部注】

この記事は、「キャップスクリニック」のサイトで公開中の記事をもとに作成しています。

http://www.caps-clinic.jp/forparents

執筆者

白岡 亮平

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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