2015.06.22 | コラム

タバコの吸い殻、ペットボトルに入れるのはちょっと待って!

家庭用品に潜む危険性について
タバコの吸い殻、ペットボトルに入れるのはちょっと待って!の写真
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タバコを吸うことによる体への弊害は今更説明するまでもなく、様々な病気の温床となります。最近ではタバコを吸う人の周りの人への影響(受動喫煙)も問題になってきています。喫煙者のマナーやモラルなども問題視される中、"子どもの思いがけない喫煙"という問題に関して考えてみます。

◆ 子どもの誤飲で長年トップだった家庭用品は・・・

厚生労働省から発表される家庭での子どもの誤飲事故に関する病院モニター報告でタバコの誤飲は長年トップに君臨してきました。(2015年に発表された『平成25年度家庭用品等に関わる健康被害病院モニター報告』では「家庭用品等に係る小児の誤飲事故に関する報告」において、タバコの誤飲は94件で第2位となっている)

誤飲した子どもの年齢を見てみると6〜11ヶ月の乳児での報告件数が多いことがわかっています。タバコの誤飲はすなわちニコチンの摂取であり、"薬としてのニコチン"がまだ幼い子どもに及ぼす影響とその危険性に関して考えてみます。

 

◆ ニコチンの作用と子どもへの危険性

ニコチンは脳などの中枢と末梢(中枢以外の体の各部分)の両方に作用する薬です。依存性や中毒性をもち、通常量でも頭痛、不眠などの症状が現れ、過量摂取では嘔吐や振せん、けいれんなどといった非常に危険な症状が現れる場合もあります。

乳幼児はタバコ0.5〜1本分のニコチン量で致死的な中毒に達することも考えられる為、誤飲は絶対にさけるべきなのですが、残念ながら毎年多くの誤飲が報告されています。

子どものタバコの誤飲の仕方は様々ですが、そのほとんどが大人のタバコの管理不行きが原因です。例を挙げると、灰皿にそのまま放置してあった吸い殻を子どもが食べてしまったり、飲料の空き缶やペットボトル等を灰皿代わりにして置いておき、それを子どもが誤って飲んでしまった、というケースが毎年繰り返すように起こっています。

また先ほど、ニコチンが中枢に作用することと乳児でのタバコの誤飲が多いことを紹介しましたが、このことは更に大きな危険性を含んでいます。幼い子ども(特に生後6ヶ月くらいまでの乳児)は有害物質が中枢に運ばれるのを防ぐ役割を果たす血液脳関門と呼ばれる機構が未発達であるため、中枢へ作用するニコチンは1歳に満たない子どもにとって非常に危険なものになるのです。

「喫煙をする人は吸わない人のことも考える」とは喫煙マナーの謳い文句でもありますが、もう一歩踏むこんで、タバコ(ニコチン)が幼い子どもに対して非常に危険な存在であることを理解する必要があるのではないでしょうか。

執筆者

中澤 巧

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。