2015.07.30 | コラム

こどもの夏の皮膚のトラブル②〔小児科に行く前に〕

とびひについて
こどもの夏の皮膚のトラブル②〔小児科に行く前に〕の写真
(C) Miroslav Beneda - Fotolia.com

とびひは、夏場に起こるこどもの皮膚のトラブルの一つです。細菌が皮膚に感染して水ぶくれやかさぶたができ、それが「飛び火」のように体のあちこちに、次々と広がってゆく病気です。症状にあわせて、抗生剤の入った軟膏や飲み薬を使用します。人にうつるので、家族でのタオルの共有やプールは避ける必要があります。大切な事は、予防と広がらないうちに治すことです。

◆「とびひ」ってどんな病気なの?

とびひ」は別名「伝染性膿痂疹:でんせんせいのうかしん」と呼ばれています。うつりやすいをもった発疹が特徴です。すり傷・虫刺され・湿疹汗疹などで皮膚をかきむしり、そこにできた浅い傷にバイ菌が入ることで、赤く腫れ、水ぶくれ(水疱)やじゅくじゅくした状態(膿痂疹:のうかしん)を形成して起こります。
アトピー性皮膚炎の患者さんのように、皮膚のバリア機能が低下している場合にも起こりやすいです。
原因は、主に「黄色ブドウ球菌」と「レンサ球菌」という細菌です。

 

◆どうして全身に広がったり、人にうつるの?

とびひの水ぶくれ(水疱)やじゅくじゅくした状態(膿痂疹)の中には、バイ菌が入っています。この液がしみ出たり、破れたりして周りの皮膚の傷が付いた部分に触れると新しい水疱や膿痂疹ができます。患部をかいた手で他の場所に触れると、同じような発疹があっという間に全身に広がります。同じように他の人にも感染しますので注意が必要です。

 

◆とびひはどうやって治療するの?

症状が軽く、あまり広がっていない時は、抗菌薬の入った塗り薬を使用します。とびひが全身に広がっている場合は塗り薬に加えて、抗生剤の内服を5〜7日間行います。

治療を開始してまず2〜3日目に、治療が適切であるかの効果判定を行います。改善が悪い場合は皮膚の細菌培養の検査をして抗生剤の変更を行います。

痒みのひどい時には、痒み止めの薬(抗ヒスタミン薬)を使うこともあります。

原因菌である黄色ブドウ球菌やレンサ球菌が原因となって、他の病気を発症することがまれにあります。代表例としては、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(別名SSSS:フォーエス)という病気です。これは、黄色ブドウ球菌というバイ菌が作り出す毒素が血液の中に入ることで起こります。高熱を出し、皮膚がやけどのように真っ赤に腫れて、水ぶくれのようになります。そして、触っただけで皮膚がはがれてしまい、非常に痛がります。多くは入院して治療が必要です。とびひの治療を適切に行い、薬で菌をしっかりと退治しておくことで予防することができます

 

◆家庭でできる治療は?プールは入っていいの?

  1. 風呂はシャワー浴にし、石鹸をよく泡だてて、やさしく患部を洗い流しましょう。菌を洗い流し、皮膚を清潔に保ち、新たに発疹ができないようにすることが、治りを早くする"こつ"です。
  2. 家族にうつらないよう、タオルや衣服は共用しないようにしましょう
  3. 基本的にはガーゼや包帯などで患部を覆って、患部が他に接触しないようにして、登園・登校することは可能です。園や学校によっては独自のルールがある場合もあるので、その指示に従ってください。ただし、プールはとびひがすべてかさぶたになるまでは禁止です
  4. 普段から爪を短く切り、かきむしらないようにすることも大事です。そして、毎日石鹸で手洗いをする習慣をつけましょう。

 

以上のことを頭に入れ、適切な治療、そして予防をすることでとびひの拡大を防ぎ、治療することができます。しっかりと医療機関を受診し、皮膚の状態を評価し、適切な治療を受けることをおすすめします。

 

【編集部注】

この記事は、「キャップスクリニック」のサイトで公開中の記事をもとに作成しています。

http://www.caps-clinic.jp/forparents

執筆者

白岡 亮平

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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