糖尿病はどのくらい感染症のリスクを上げるのか、110万人を調査
糖尿病で引き起こされる症状は免疫システムと大きく関連しています。自己免疫疾患と関連がある1型糖尿病でも、肥満を伴う慢性炎症が生じる2型糖尿病でも、免疫との関係は重要です。今回オーストラリアのグループは感染症と糖尿病の相関関係を調べました。その結果、糖尿病がある人では感染症による死亡率を上げる結果となりました。
◆オーストラリア糖尿病患者110万人の死因を調査
著者らはオーストラリアの糖尿病患者において、
◆1型糖尿病で感染症による死亡率は通常の4.42倍
以下の結果になりました。
年齢性別を補正した後の標準化した致死率(SMRs)に関し、1型と2型糖尿病の方が、すべての死因について高かった。感染症関連死因A-BのSMRは1型糖尿病で4.42(95%信頼区間3.68から5.34)と2型糖尿病で1.47(95%信頼区間1.42 から1.53)であった(P<0.001)。
つまり1型糖尿病患者での感染症(ICDの分類でA-Bにあたる感染症)による致死率は4.42倍、2型糖尿病では1.47倍と高い致死率を示しました。肺炎や敗血症、
著者らは「感染による死亡は稀だが、糖尿病患者は一般の集団と比較して、さまざまな感染症による致死率の上昇が見られた。また致死率の上昇は1型の方が2型よりも大きいようだった」と述べています。
感染症は
執筆者
Excess Risk of Dying From Infectious Causes in Those With Type 1 and Type 2 Diabetes.
Diabetes Care. 2015 Jun 12
[PMID: 26070592] http://care.diabetesjournals.org/content/early/2015/06/11/dc14-2820.abstract※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。