2015.06.26 | ニュース

緑内障のインプラント手術、埋め込んで5年後の結果は?

カリフォルニア大学の治療例から

from JAMA ophthalmology

緑内障のインプラント手術、埋め込んで5年後の結果は?の写真

失明の原因にもなる緑内障は子どもにも起こります。眼の中の房水という液体の流れが悪くなり、圧力が高くなるなどの原因によって神経がダメージを受け、見えにくくなる病気です。治療には薬剤などのほか、房水を細いチューブで外に逃がす装置を埋め込む方法もあります。アメリカのカリフォルニア大学で18歳未満の患者に行われた埋め込み手術の結果として、5年での成功率は50%あまりだったことが報告されました。

◆カリフォルニア大119例の手術結果

研究班は、カリフォルニア大学の施設で1999年3月から2012年4月に治療装置の埋め込み手術を受けた119例(両目の手術を受けた人を含む89人)の結果を集計しました。

 

◆5年成功率55%

手術のあと長期で次のような結果が出ていました。

5年での成功率は55%(95%信頼区間46.0%-65.9%)だった。

2回目の手術のあと5年での成功率は52.8%(95%信頼区間37.0%-75.3%)だった。

5年での成功率は55%で、失敗となった人で2回目に手術を受けた人は、2回目の手術から5年での成功率は52.8%でした。

研究班はこの結果に対して「緑内障ドレナージ装置は[...]緑内障の小児患者に対して中等度の長期成功率を持つ」と述べています。

 

日本でも「緑内障治療用インプラント」として治療装置は承認され、手術を受けることができます。緑内障の治療法は、インプラント以外の手術を含め、どれにも十分な効果が得られない場合があり、効果のある選択肢が求められています。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Valved Glaucoma Drainage Devices in Pediatric Glaucoma: Retrospective Long-term Outcomes.

JAMA Ophthalmol. 2015 Jun 18 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26087019]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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