ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬(パノビノスタット)
白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫などのがん化を促進させる酵素(ヒストン脱アセチル化酵素:HDAC)を阻害し、細胞周期停止や細胞の自滅(アポトーシス)を誘導し抗腫瘍効果をあらわす薬
ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬(パノビノスタット)の解説
ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬(パノビノスタット)の効果と作用機序
ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬(パノビノスタット)の薬理作用
がん細胞は無秩序な増殖を繰り返し正常な細胞を障害し、転移を行うことで本来がんのかたまりがない組織でも増殖する。
多発性骨髄腫は白血球の一つである形質細胞のがん化によりおこる造血器腫瘍で、貧血、感染、骨折、腎障害などがあらわれる。多発性骨髄腫細胞などでは、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)という酵素の異常な活性化が認められ、この活性化によりがんの中でも特に白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器腫瘍化が亢進するとされている。
本剤はHDACの活性を阻害することで、ヒストン及び非ヒストンタンパク質のアセチル化が促進し、細胞周期停止及び細胞のアポトーシス(自滅)誘導がおこることで抗腫瘍効果をあらわすとされる。
ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬(パノビノスタット)の主な副作用や注意点
ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬(パノビノスタット)の一般的な商品とその特徴
ファリーダック
- 本剤を含め3種類の薬剤の併用療法に関して
- 通常、本剤はボルテゾミブ、デキサメタゾンと併用して使用する
- 多発性骨髄腫に対して通常、1日1回を週3回、2週間(1、3、5、8、10、12日目)服用し、9日間(13〜21日目)を休薬にあてる
- 通常、上記の3週間を1サイクルとして、このサイクルを繰り返す