β遮断薬(点眼薬)
眼圧を上昇させる眼球を満たしている体液(眼房水)の産生を抑え、眼圧を下げて緑内障などの悪化を防ぐ薬

β遮断薬(点眼薬)の解説

β遮断薬(点眼薬)の効果と作用機序

  • 眼圧を上昇させる眼球を満たしている体液(眼房水)の産生を抑え、眼圧を下げて緑内障などの悪化を防ぐ薬
    • 緑内障では眼の中の圧力(眼圧)が高くなり、視野が狭くなるなどにより目がみえづらくなる
    • 眼圧が高くなる要素に眼房水という体液があり、眼のβ受容体というものがこの体液の産生に関与している
    • 本剤は眼のβ受容体を遮断し、眼房水の産生を抑え、眼圧を下げる作用をあらわす

β遮断薬(点眼薬)の薬理作用

緑内障は眼の中の圧力(眼圧)が高くなってしまうことで視神経にダメージが加わり、視野が狭くなるなどにより目が見えづらくなる病気である。

眼圧が高くなる要素として眼球を満たしている眼房水があり、この体液が多くなると眼圧が高くなり、緑内障が悪化する。眼にはβ受容体という眼房水の産生に関わるところがあり、この受容体が刺激を受けると眼房水が産生される。

本剤は眼のβ受容体を遮断することで眼房水の産生を抑え、眼圧を下げることで緑内障などの悪化を防ぐ作用をあらわす。

本剤は点眼薬であるが、全身に対する副作用も稀におこり、気管支収縮作用や心血管系の副作用があらわれる可能性がある。そのため、気管支喘息、気管支痙攣、慢性閉塞性肺疾患、コントロール不十分な心不全などをもつ患者に対しては使用できない薬剤があるため注意が必要となる。

β遮断薬(点眼薬)の主な副作用や注意点

  • 眼の局所に対する副作用
    • 充血、結膜炎、かゆみ、異物感などの症状があらわれる場合がある
  • 全身に対する副作用
    • 点眼後、薬液が眼と鼻をつなぐ管を通り体内へ吸収されることによって生じる
    • 頻度は稀だが、気管支喘息気管支の痙攣、動悸不整脈などがあらわれる場合がある

β遮断薬(点眼薬)の一般的な商品とその特徴

チモプトール、リズモン

  • 剤形に関して
    • チモプトールXEとリズモンTGは薬の効果が持続する1日1回タイプの点眼薬となっている
    • 本剤の成分(チモロール)とプロスタグランジン関連薬との配合剤(ザラカム配合点眼液 など)がある
    • 本剤の成分(チモロール)と炭酸脱水酵素阻害薬との配合剤(コソプト配合点眼液 など)がある
    • 本剤の成分(チモロール)とα2刺激薬との配合剤(アイベータ配合点眼液)がある
  • 気管支喘息や重篤な慢性閉塞性肺疾患などの患者へは原則として投与しない

ミケラン

  • 1日1回タイプの剤形(ミケランLA点眼液)がある
  • 本剤の成分(カルテオロール)とプラスタグランジン関連薬(ラタノプロスト)の配合剤(ミケルナ配合点眼液)がある
  • 気管支喘息や重篤な慢性閉塞性肺疾患などの患者へは原則として投与しない

ハイパジール

  • β遮断作用以外に眼房水の排泄を促進させるα1遮断という作用もあらわす
  • 気管支喘息や重篤な慢性閉塞性肺疾患などの患者へは原則として投与しない