ビタミンE製剤
血管の血流改善により血行をよくしたり、コレステロールを低下させることなどにより、頭痛、肩こり、冷えや動脈硬化などを改善する薬

ビタミンE製剤の解説

ビタミンE製剤の効果と作用機序

  • 血管の血流改善により血行をよくしたり、コレステロールを低下させることなどにより、頭痛、肩こり、冷えや動脈硬化などを改善する薬
    • ビタミンEは脂溶性(脂に溶けやすい性質)ビタミンで、体内で活性酸素の働きを抑える
    • 活性酸素が過剰になると体の老化や動脈硬化などをおこす場合がある
    • ビタミンEはコレステロールの排泄や末梢血管の拡張にも関わる

ビタミンE製剤の薬理作用

ビタミンEは脂溶性(脂に溶けやすい性質)ビタミンで、体内で細胞の老化などに関与する活性酸素(過剰に発生した場合に細胞を傷つけてしまう)の働きを抑える働きをもつ抗酸化ビタミンの一つ。血液中でLDLコレステロール(一般的に悪玉コレステロールと呼ばれる)は活性酸素と反応し酸化されて血管を傷つけてしまうが、ビタミンEは抗酸化作用によりこの反応を抑え、動脈硬化などの予防が期待できる。また、ビタミンEは末梢血管の拡張に関わることで頭痛や肩こり、冷え性などの血行不良による症状の改善も期待できる。

本剤はビタミンEを含有製剤で、体内にビタミンEを補充することで抗酸化作用などにより、コレステロールの低下や動脈硬化の予防、冷えや肩こりを改善するなどの効果が期待できる。また、本剤はビタミンEの欠乏が関与するとされる脊髄小脳変性症などに使用する場合もある。なお、ビタミンEは内服薬(飲み薬)だけでなく、外用薬(塗り薬)の成分としても使われていて、例えばビタミンEとビタミンAを含有したユベラ軟膏は凍瘡(しもやけ)や進行性指掌角皮症(手あれ)などの皮膚症状の改善に使われている。

ビタミンE製剤の主な副作用や注意点

  • 消化器症状(主に内服薬
    • 便秘、胃部不快感などの症状があらわれる場合がある
  • 過敏症
    • 頻度は非常に稀だが、発疹などの症状があらわれる場合がある

ビタミンE製剤の一般的な商品とその特徴

ユベラ

  • 錠剤のほか、散剤(顆粒剤)もあり、服薬状況などに合わせた選択が可能
  • ユベラ軟膏はビタミンEとビタミンAの配合剤(外用塗布剤)
    • 軟膏剤はしもやけ凍瘡)や手あれ(進行性指掌角皮症)などの改善に使われる

ユベラN

  • ビタミンEにニコチン酸(ナイアシン)を加えた製剤
  • ユベラNソフトカプセル200mgの保管に関して
    • ソフトカプセルは高温で軟化するため、特に高温・高湿を避けて保管する