ばねゆび
ばね指
指の根本の腱や腱鞘の炎症が進行することにより、「引っ掛かり」が生じることで「ばね現象」が起こる(この状態をばね指と言う)
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最終更新: 2022.03.16
ばね指の基礎知識
POINT ばね指とは
手の指にはそれぞれ、筋肉が骨にくっついている部位である「腱(けん)」があります。また、腱は「腱鞘(けんしょう)」と呼ばれる構造物で囲まれています。関節の酷使によって、腱鞘に炎症が起きている状態を腱鞘炎と呼びます。手の腱鞘炎が進行すると、指がうまく伸ばせなくなり、がんばって伸ばすとひっかかりがとれて勢いよく伸びるという「バネ現象」が見られます。この状態をばね指と呼びます。症状としてはばね現象、指のてのひら側つけ根の腫れや痛みなどが見られます。問診と身体診察で診断をしますが、必要に応じて画像検査も行われます。治療として、指のできる限りの安静や、痛み止めの内服、関節注射などがあります。改善しない場合や、再発を繰り返す場合には手術を行うこともあります。ばね指が心配な方や治療したい方は整形外科を受診してください。
ばね指について
- ばね指の仕組み
- 指は腱により伸縮運動を行う
- 手や指の運動(手を握るなど)のために、前腕にある筋肉が腱を通して力を伝える
- この運動の途中で、指を曲げる際に使用する腱(
屈筋腱 )が浮き上がらないように押さえの役割をしているのが、靭帯 性腱鞘と呼ばれるものである(例えると、ベルトとベルト通しの関係)
- 靱帯性腱鞘の指の付け根付近では、負荷がかかりやすいため、腱や腱鞘に
炎症 が生じやすい- 炎症が原因となり、指の根本の腱や腱鞘が太くなることで、靭帯性腱鞘との間に「引っ掛かり」が生じ、「ばね現象」が起こる
- 部位としては、母指(親指)、中指に多く起こる
- 主な原因として、手指の使いすぎがあるが、その他、糖尿病、リウマチ、
透析 患者、更年期女性、妊娠出産期女性もリスクとなる
ばね指の症状
- 軽症
- 指の付け根の痛み、腫れ、熱感
- 症状は朝方に強い
- 手指の使用により症状が軽減することもある
- 中等症
- 進行すると、引っ掛かりによりばね現象が生じる
- 重症
- さらに進行すると、指が動かなくなる
ばね指の検査・診断
- 症状から診断
- 指の付け根の
腫脹 や圧痛 - ばね現象
- 指の付け根の
- 糖尿病、リウマチ、
透析 患者では複数の指に生じやすい - 画像検査
- 必要に応じて
レントゲン (X線 )検査などを行う場合もある
- 必要に応じて
ばね指の治療法
保存療法 - 局所の安静(シーネ固定)
- 腱鞘内
ステロイド 注射(特にトリアムシノロン) - 保存療法で一旦改善すれば、数か月程度は症状が出ないことが多いが、その後の再発がある
- 手術療法
- 改善しない場合、再発を繰り返す場合は、腱鞘切開術(腱鞘の鞘を開く)を実施
ばね指のタグ
ばね指に関わるからだの部位
