ほうじょうきたい
胞状奇胎
異常妊娠の1つであり、絨毛がぶどうの房のような多数の袋状の構造に変化する病気
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最終更新: 2018.06.21
胞状奇胎の基礎知識
POINT 胞状奇胎とは
胞状奇胎とは、異常な妊娠の一つで、絨毛という胎盤の一部がぶどうのような袋状に増殖(嚢胞化)するものをいいます。すべての絨毛が嚢胞化する全胞状奇胎と、一部の絨毛が嚢胞化する部分胞状奇胎の2つに分類されます。胞状奇胎に特徴的な症状は乏しく、正常な妊娠の初期症状に似て性器出血や腹痛、つわり(吐き気)などを認めることがあります。 精子と卵子の受精の際の異常が原因で胞状奇胎は起こり、若年妊娠、高齢妊娠がリスクとして知られています。検査は、超音波検査、血液・尿検査などを行います。治療は胞状奇胎を取り除くために子宮内容除去術を行います。胞状奇胎から侵入奇胎や絨毛がんという病気になることもあるので、治療後も定期的に経過を見ていくことが重要です。
胞状奇胎について
- 異常妊娠の1つであり、絨毛がぶどうの房のような多数の袋状の構造に変化する病気
- 受精の異常によって起こるがその詳しい原因ははっきりしていない
- 胞状奇胎では胎児は子宮内にいない
- 絨毛がんのリスクが高まるので、きちんと治療を行い、治療後も経過を見ていく必要がある
胞状奇胎の症状
- 特徴的な症状はあまりなく、正常な妊娠と症状はあまり変わらない
胞状奇胎の検査・診断
- 経腟
超音波検査 - 妊娠2-3ヶ月ごろに診断が可能になる
- 血液検査
- hCGという妊娠
ホルモン の値が異常に高くなる
- hCGという妊娠
- 顕微鏡検査
- 治療で取り除いた内容物を顕微鏡で観察して最終的な診断の確定となる
- 経腟超音波や血液検査の結果で治療を兼ねて処置を行う
胞状奇胎の治療法
- 子宮の中の胞状奇胎を取り除く処置を行う
- 時間が経つごとに胞状奇胎が増えるため、診断されたら通常速やかに処置を行う
- 治療後もhCGの検査や経腟
超音波検査 を行い、定期的に経過を観察する- hCGの値が落ちない場合には侵入奇胎や絨毛がんとなっている可能性がある