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大腿ヘルニア
腹部の臓器(主に腸)が大腿管というすき間を通り、太ももの付け根の内側から、皮膚のすぐ裏側まで出てきた状態
2人の医師がチェック 54回の改訂 最終更新: 2018.08.29

大腿ヘルニアの基礎知識

POINT 大腿ヘルニアとは

ヘルニアとは体内の臓器などが本来あるべき場所から脱出・突出することを意味します。 大腿ヘルニアは大腿管という足側にある隙間に腸や腹膜が入り込むことで、女性に多い病気です。太もも辺りに膨らみが現れます。無症状のこともありますが、嵌頓(飛び出した腸の血の巡りが悪くなること)が起こると、強い腹痛や吐き気が現れ、緊急手術が必要です。画像検査(超音波検査やCT検査など)を用いてヘルニアの中身が確認されます。大腿ヘルニアが見つかった場合は嵌頓の予防のために手術が行なわれて、腸や腹膜が飛び出さないようにされます。 足の付根に膨らみがある場合は、大腿ヘルニアが原因かもしれません。消化器外科を受診してください。

大腿ヘルニアについて

  • 腹部の臓器(主に腸)が大腿管というすき間を通り、太ももの付け根の内側から、皮膚のすぐ裏側まで出てきた状態
    • 高齢の女性に特に多い

大腿ヘルニアの症状

  • 太ももの付根あたりに膨らみを感じる
  • 嵌頓(飛び出た腸管が戻らなくなり、腸の血液のめぐりが悪くなった状態)が起こると強い腹痛や嘔気が生じる
    • 嵌頓していない場合は症状はほとんどないか、軽度の腹痛がある程度のことが多い

大腿ヘルニアの検査・診断

  • 画像検査
    • 超音波検査:足の付根の膨らみが、腸であることを確認する
    • CT検査:大腿管から腸が逸脱している可能性が高いかどうか(鼠径ヘルニアと区別が難しい場合がある)、腸の血流や周囲の炎症など病状の程度を確認できる

大腿ヘルニアの治療法

  • 原則として手術治療を行う
    • メッシュのシートを埋めて弱った筋肉を補強し、腸管が飛び出さないようにすき間を埋める
    • 必要であれば腸の一部を切り取る場合もある
    • 腹腔鏡による手術を行っている医療機関もある
  • 嵌頓して熱や腹痛などの症状が出て改善しない場合は緊急で手術を行うことがある

大腿ヘルニアの経過と病院探しのポイント

大腿ヘルニアが心配な方

大腿ヘルニアでは鼠径部(股の部分)の皮膚の裏側にでっぱりが出たり消えたりしますが、腸閉塞を引き起こして緊急手術が必要となることもある病気です。

どのような状況かによって受診する医療機関が変わってきます。足の付根が膨らんできて、その膨らみを改善させたいという場合は外科系のクリニックが良いでしょうし、その中でも時間が経過して痛みが強くなっている場合(嵌頓ヘルニア)は手術を前提で、外科のある総合病院で受診することをお勧めします。

大腿ヘルニアの診断は、多くのものは診察のみ(またはそれに加えて腹部エコー)で行えます。手術を前提により詳しく調べる場合には、腹部CTや腹部MRIの検査を行います。国内の総合病院であればほとんどのところにエコーやCTの設備がありますので、診断のために特別な病院を選択しなければならない、ということはありません。

大腿ヘルニアに関連する診療科の病院・クリニックを探す

大腿ヘルニアでお困りの方

大腿ヘルニアの根本治療としては、まずは徒手整復といって、出っ張ったヘルニアの部分を医師が慎重に内側に押し戻すことで行います。それで改善すれば良いのですが、どうやっても改善しない場合、あるいは長時間ヘルニアの状態が続いていて腸の状態が悪くなっていると考えられる場合には、緊急手術を行います。

平日の日中であれば良いのですが、土日祝日や夜間は院内に残っているスタッフが少ないため、緊急で手術を行える病院と、そうでない病院があります。ある程度の規模の病院や、外科手術の手術件数が多い病院の方が、時間外の緊急手術により迅速に対応できるところが多い傾向にあります。

大腿ヘルニアを定期的に起こしている場合、その後の再発を予防するために手術が勧められます。こちらの場合、焦って受けなければならない緊急手術ではないので、外来に通院して医師と相談の上で、安心して手術を任せられる医師を選ぶことも重要な選択基準の一つです。

すべての手術に共通して言えることですが、ある程度の年間件数がある病院の方が術者が慣れていて望ましいと言えます。何件以上ならば良いと言うことは難しいのですが、地域の病院で比較して手術件数が少なすぎないことは、病院を探す上で参考になる基準の一つです。

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