まらせちあもうほうえん
マラセチア毛包炎
マラセチアという真菌によって起こる毛包炎
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最終更新: 2017.10.14
マラセチア毛包炎の基礎知識
POINT マラセチア毛包炎とは
マラセチアという真菌(カビ)によって毛包に感染が起こった状態です。マラセチアは本来皮膚に感染を起こさずに常在する真菌ですが、不潔や多汗などの理由が重なることで感染を起こすことがあります。主な症状としては背中を中心に数mmの赤いボツボツができます。 大抵は症状から診断されますが、皮膚の一部を採取してその中にマラセチアがいないかを顕微鏡で調べることで診断をつけることもあります。治療には抗真菌薬の塗り薬を用いますが、なかなか治らない場合は飲み薬を用いることもあります。マラセチア毛包炎が心配な人や治療したい人は、皮膚科や感染症科を受診して下さい。
マラセチア毛包炎について
- マラセチアという
真菌 によって起こる毛包炎- マラセチアは皮膚に普段から存在している
- 胞子の形のままで毛包の中で増殖することで生じる
- 高温、多湿、多汗、不潔などの環境が原因であると考えられる
- 思春期の男女の背中に起こりやすい
マラセチア毛包炎の症状
- 主に背中を中心に直径数mm程度の赤いぽつぽつが広がる
- 痒みはほとんどないことが多い
- まれに痛みが出現することがある
- 症状が強いと、
膿 を伴ってくる
マラセチア毛包炎の検査・診断
- 特徴的な数mm程度の赤いボツボツを見つけて、より詳しく検査する
- 皮膚の一部を採取して、顕微鏡で観察することで診断する
真菌 であるマラセチアが皮膚から発見されることで診断がつく
マラセチア毛包炎の治療法
マラセチア毛包炎の経過と病院探しのポイント
マラセチア毛包炎が心配な方
マラセチア毛包炎では、胸や背中などに赤いぶつぶつができます。2-3個程度ではなく数十個から数百個の単位で広がるのが特徴です。見た目だけではマラセチア毛包炎かどうかの診断が確定できないため、マラセチアが原因かどうかを確定するには、はがれた皮膚や膿を採取して顕微鏡で観察します。
ご自身の症状がマラセチア毛包炎でないかと心配になった時には、お近くの皮膚科クリニックで相談してみることをお勧めします。珍しい特別な病気ではありませんので、診断や治療のために専門性の高い病院を受診する必要はありません。
マラセチア毛包炎でお困りの方
マラセチア毛包炎の治療は、塗り薬が基本です。症状の範囲が広かったり程度が強い場合には内服薬を使用することもあります。マラセチア毛包炎については、診断がつき次第その場で治療が開始されますし、治療の方法にもバリエーションが少ないため、どこでどのような治療を受けるか迷う余地は少ない病気かもしれません。しかし、診断が間違っていて別の種類の薬を使用し続けていると症状が治らない(もしくは悪化する)ことがあるため注意が必要です。