くりぐらーなじゃーるしょうこうぐん
クリグラー・ナジャール症候群
特定の酵素が欠けていることにより、体内にビリルビンが過剰に蓄積する先天性の病気
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最終更新: 2020.11.30
クリグラー・ナジャール症候群の基礎知識
POINT クリグラー・ナジャール症候群とは
特定の酵素が欠けていることによって、体内にビリルビンが過剰に蓄積する先天性の病気のことです。常染色体劣性遺伝という形式で遺伝します。症状の程度によって1型と2型に分けられます。黄疸や意識障害、けいれんが典型的な症状です。クリグラー・ナジャール症候群が疑われた人には血液検査が行われ、ビリルビン濃度や酵素の欠損の程度が調べられます。交換輸血やビリルビン合成を抑制するための薬が治療で使われます。クリグラー・ナジャール症候群は小児科や内分泌内科で検査や治療が行われます。
クリグラー・ナジャール症候群について
- 特定の
酵素 (ウリジン二リン酸(UDP)グルクロン酸転移 酵素)が欠けていることにより、体内にビリルビン が過剰に蓄積する先天性 の病気- 遺伝子の異常によってビリルビンという物質を
代謝 (分解して排泄)する酵素がないあるいは足りない状態 常染色体劣性遺伝 の形式で遺伝する
- 遺伝子の異常によってビリルビンという物質を
- 病気のタイプ分け
- 1型
- 強い
黄疸 症状 が新生児期から現れる - 治療をせずに悪化すると、ビリルビン脳症 (核黄疸)になり、死に至ってしまう
- ビリルビン脳症が回復したとしても神経系機能障害を起こす
- 出生数100万人につき0.6-1.0人が
発症 すると考えられている
- 強い
- 2型
- 重症である1型より軽度な黄疸症状として現れる
- 黄疸は新生児期から現れる場合もあるが、1歳以降に現れる場合もあり、ビリルビン脳症になることは少なくない
- 1型
クリグラー・ナジャール症候群の症状
- 典型的な
症状 黄疸 意識障害 - けいれん
クリグラー・ナジャール症候群の検査・診断
- 主な検査
- 血液検査:間接
ビリルビン の上昇、胆汁中のグルクロン酸抱合ビリル(直接ビリルビン)の低値を確認する - フェノバルビタールを使用すると、2型ではビリルビンが低下する
- 1型と2型との見分けに有効である
- 血液検査:間接
クリグラー・ナジャール症候群の治療法
- 主な治療法
- 1型
- 交換輸血を行ったり、
ビリルビン 合成を抑制するための薬剤が使用される - 光線療法:紫外線を当てることでビリルビンを排出しやすくさせる
- ビリルビン脳症を予防するために肝移植療法を行う必要がある
- 交換輸血を行ったり、
- 2型
- フェノバルビタールによる治療が効果的で血中ビリルビンを減少させることができる
- 1型