かくおうだん
核黄疸
新生児に起こる黄疸(血液中のビリルビンが多いため、皮膚や目が黄色くなる)のうち、程度が強いため脳に影響が出てしまうもの
12人の医師がチェック 88回の改訂 最終更新: 2019.02.19

核黄疸の基礎知識

POINT 核黄疸とは

新生児に起こる黄疸(血液中のビリルビン濃度が上昇したことによって、皮膚や白目が黄色くなること)で、その程度が強いために脳にも影響が及んだ状態です。核黄疸を起こす要因には、新生児仮死や、低体温、低血糖などがあります。核黄疸は発症する時期によって3つに分類(下記参照)され、それぞれで症状が異なります。視診(見た目の診察)や血液検査、画像検査(超音波検査や頭部MRI検査)によって詳しく調べられます。核黄疸の治療は難しいため、前段階で治療を行い、予防に努めます。具体的には、光線療法や交換輸血などです。核黄疸は新生児科や小児科で検査や治療が行われます。

核黄疸について

  • 新生児に見られる黄疸(血液中のビリルビンが多いため、皮膚や目が黄色くなる)のうち、程度が強く脳に障害を起こしたもの
    • ビリルビン脳症と呼ばれることもある
    • 乳児期以降や成人でも核黄疸になることはまれにあるが、ここでは新生児期の核黄疸について述べる
  • 核黄疸の危険因子として、次のものがある
    • 新生児仮死:生まれたばかりの赤ちゃんの呼吸や血液の流れが生命維持に不十分な状態
    • 呼吸窮迫:生まれた時に起こった呼吸困難
    • 低体温
    • 低蛋白血症
    • 低血糖
    • 敗血症細菌などの微生物に感染し重症化した状態
    • 肝不全
    • 頭蓋内出血
    • 薬剤
    • 低出生体重児
    • アシドーシス(体が酸性に傾く)
  • 日本ではほとんどの例で早期の治療が可能なため、核黄疸は激減している

核黄疸の症状

  • 時期により分けられる
    • 第1期(生後2-3日)
      • 筋肉の緊張が弱くなる
      • 眠りがちになる
      • 哺乳力が弱くなる
    • 第2期(生後数日から1週間)
      • 筋肉の緊張が強くなる
      • 後弓反張(背中を後ろに反らせるような姿勢になる)
      • 発熱
      • 甲高い鳴き声
      • けいれん
    • 第3期(生後1-2週間以降)
      • 筋肉の緊張は再度弱くなる(一見良くなったように見える)
    • 生後1年から1年半:後遺症としての症状
      • アテトーゼ(自分の意志に反して、ゆっくりねじるような運動がみられる)
      • 上の方を凝視する
      • 聴覚障害
      • 知能障害
  • いずれの症状も他の病気でもみられることがある
    • 特に低出生体重児超低出生体重児などでは診断が難しく、第3期になって診断がつくこともある
  • 第1期までは後遺症を残さずに治る可能性が高いが、第2期以降は後遺症が残る可能性が高い
  • 重症例では後遺症を残し、脳性麻痺となる
  • 肺出血・消化管出血により死亡することもある

核黄疸の検査・診断

  • 核黄疸だけでみられる症状や検査結果はないため、総合的な状態から診断がつく
  • 視診:手足の皮膚や白目が黄色くなっていることから疑われる
  • 血液検査:ビリルビンの濃度などを調べる
  • 以下のような検査で脳の出血や萎縮などの有無を調べる
    • 超音波検査大泉門から超音波をあてて脳の状態を確認する)
    • 頭部MRI検査
    • 聴性脳幹反応:脳の障害を早期に反映すると言われている

核黄疸の治療法

  • 核黄疸を発症してしまうと治療が難しいため、その前段階での治療と予防が第一となる
  • 血液中のビリルビンを減らすために、光線療法、交換輸血などが行われる
    • 光線療法:光を当ててビリルビンを変化させ、害のない形にする
    • 交換輸血:血液を交換し、有害なビリルビンを取り除く
  • 後遺症が残った場合にはリハビリなど、各後遺症に対する治療が必要となる