神経調節性失神(血管迷走神経性失神、迷走神経反射)の基礎知識
POINT 神経調節性失神(血管迷走神経性失神、迷走神経反射)とは
神経の調節が上手くいかないために、脳の血流が不足して起こる失神です。副交感神経と交感神経のバランスが崩れることが原因で、起こると目の前が暗くなって一時的に意識を失います。長時間立っている状況や発熱時、入浴後、排便時などに起こることが多いです。健康な人にも起こることがあり、必ずしも重大な病気とは限りません。心電図検査など心臓の病気といった重大な病気でないことを確認するためいくつか検査が行われ、症状や失神時の状況から診断されます。基本的には経過観察を行い、脱水を起こしているときには水分を摂取します。失神がたびたび起こる人は薬物療法を行うことがありますが、あまり多くありません。神経調節性失神の診療は内科や脳神経内科、脳神経外科で行われます。
神経調節性失神(血管迷走神経性失神、迷走神経反射)について
- 副交感神経のグループに含まれる迷走神経が刺激されて、末梢血管が拡がったり、心臓からの血液の拍出が少なくなったりすることにより起こる失神
- 以下のような状態が起こり、一時的に脳へ十分な血流が送られず失神する
- 末梢血管(特に脚の血管)を締める交感神経の調節がうまくいかず、血液が重力で脚に降りてしまう
- 心臓の脈拍を抑える働きのある迷走神経の活動が突然強くなり、脈が遅くなったりする
- 本来ならば脈拍が遅くなると血圧が上昇するシステムが成り立つが、上の様な状況に陥ると脈拍が遅い のに血圧が低下してしまい、脳への血流が不足し、発症する。
- 健康な人にも起こることがあり、必ずしも病気とは限らない
- 起こしやすい状態として脱水や飲酒後、入浴中などがある
- 長期時間の起立状態(起立性低血圧)
- 脱水
- 発熱
- 暖かい環境(入浴、食事など)
- 飲酒
- 痛み
- 排尿後、排便後 など
神経調節性失神(血管迷走神経性失神、迷走神経反射)の症状
- 目の前が白くなったり暗くなったりして、そのまま一時的に意識を失う(失神)
- 通常は数分以内には意識を取り戻す
神経調節性失神(血管迷走神経性失神、迷走神経反射)の検査・診断
神経調節性失神(血管迷走神経性失神、迷走神経反射)の治療法
- 多くの場合は経過観察を行う
- 飲酒や入浴時、排便後などで迷走神経反射は起こりやすいのでに日頃から注意をして過ごす
- 脱水にならないように気をつける
- 失神が繰り返し起こる場合に以下のような治療を検討することがある
- 薬物療法
- α交感神経刺激薬、β遮断薬、ジソピラミド、セロトニン再吸収阻害薬 など
- 弾性ストッキングをつけて脚に血流が溜まるのを防止する
- 薬物療法
- 頻回に起こす人は、失神しそうになったらしゃがんで頭を打たないようにすることも重要
神経調節性失神(血管迷走神経性失神、迷走神経反射)の経過と病院探しのポイント
神経調節性失神(血管迷走神経性失神、迷走神経反射)が心配な方
神経調節性失神は、気を失ってしまう失神の中でも頻度の高いものです。自律神経のバランスが崩れた結果、脳へ届く血流が低下してしまいその結果一時的に気を失ってしまうというものです。
気を失ってしまったまま意識が戻らなかったり、多少改善してもぼんやりとした状態が続いている場合には、失神とは呼びません。意識がなくなった後、時間がかかったとしても完全に普段通りに改善したものが失神です。神経調節性失神はその中の一種で、その他の失神には不整脈や心筋症など心臓が原因の失神や、起立性低血圧(立ちくらみが悪化しての失神)といったものがあります。
したがって、ご家族または周囲の方が急に意識を失ってしまった場合には、その後に意識が戻るかどうかが重要です。目の前で意識が無い状態であれば待たずにそのまま救急車を呼ぶのが良いでしょう。もし数秒から数分程度で、(救急車を呼ぼうとしているうちに)気がついてしまった場合には、もしかかりつけの内科クリニックがあれば、まずはそこで相談してみることをお勧めします。ただし元々重症の不整脈や心臓病があって、急変のリスクを説明されている方の場合には、意識が元通りになったとしても救急車での受診が望ましいケースもありますのでご注意ください。心疾患のある方は、日頃からどのような症状があれば救急車で受診すべきかを主治医とご相談なさっておくことをお勧めします。特にかかりつけ医のいない方は、一般内科または循環器内科クリニックの受診が良いでしょう。失神のうちどの種類の失神かを調べるために心電図などの検査が必要に応じて行われます。
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