せつ、よう
癤、癰
毛包(毛根の周囲)が細菌に感染して、皮膚の中で膿が溜まって炎症を起こしている状態
5人の医師がチェック 138回の改訂 最終更新: 2017.12.06

癤、癰の基礎知識

POINT 癤、癰とは

毛根の周囲で細菌による感染が起こり、膿が溜まっている状態です。癤(せつ)はこれが単数あることを指し、癰(よう)はこれが複数あることを指します。顔や胸、お尻にできやすいです。膿んだ皮膚は赤く膨れて強い痛みや熱感を伴います。 症状の経過と診察の結果から診断されることが多いですが、場合によっては症状のある部位の分泌液を培養して診断します。治療は抗菌薬を用います。癤や癰が心配な人や治療したい人は、皮膚科や感染症内科を受診して下さい。

癤、癰について

  • せつ(
    • 毛包(毛根の周囲)が細菌に感染して、皮膚の中でが溜まって炎症を起こしている状態
    • おでき」のこと
  • よう(
    • せつが数個以上集まっている状況
  • あご、胸、顔、おしりなどにできやすい
  • ブドウ球菌による感染が多い
  • 肥満の人、免疫不全患者(好中球欠損症など)、高齢者、糖尿病患者に多い

癤、癰の症状

  • 鼻や耳、手の指などにできると不快感があり、痛みを伴う
  • 赤く腫れ、熱を持っていることも多い
  • ようは複数の細菌が感染するので、大きく皮膚が盛り上がり、強い痛みや熱を起こすことがある

癤、癰の検査・診断

  • 問診と皮膚の診察から診断される
  • (切開したり針を刺したりして膿を出すこと)した場合は、膿を細菌培養して感染の原因となっている細菌を調べる

癤、癰の治療法

  • 抗菌薬の服用
    • クリンダマイシン
    • ST合剤
    • ドキシサイクリン
    • ミノサイクリン
    • セファレキシン
  • 重症化して膿瘍になっていれば、針を刺したり切開してを出す

癤、癰の経過と病院探しのポイント

癤、癰が心配な方

は皮膚に生じる感染症の一つで、毛の根元に菌が入り込んで炎症を引き起こした状態です。原因となる菌は珍しいものではなく、普段から皮膚に存在している菌であるケースが大半です。普段は悪さをせずにただ住み着いているだけの菌が、皮膚の傷や肌荒れをきっかけに炎症を引き起こすのが(せつ)、そしてそれが集まって範囲が大きくなったものが(よう)です。

の診断は特別な検査を行うことなく、経過と診察結果のみで診断します。皮膚にぶつぶつができて赤くなっている場合など、ご自身がでないかと心配になった時には、まずお近くの皮膚科クリニックを受診することをお勧めします。はクリニックでも大病院でも、検査の精度や治療方針には差が出ない病気の一つです。症状が辛い中、大病院で長時間待つよりは、クリニックで素早く診断をつけてもらい、自宅で安静にするのも一つの選択肢です。

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癤、癰でお困りの方

の治療は抗生物質(抗菌薬)の軟膏や内服薬が中心となります。軽いものであれば薬を使用せずとも清潔にしているだけで自然と治ることもありますが、ある程度の大きさになってしまうと、切開をして中の膿を出してしまう治療を行います。これを行わずに抗菌薬だけを使用していても効果が不十分になってしまうためです。

抗菌薬は、一般的な菌に効果が高い種類のものがはじめは使われます。しかし薬剤に耐性を持った菌がいるため、最初のものが効かなかった場合、抗菌薬を変更する必要があります。処方された薬を使用しても改善が見られない場合には、別の病院を受診するのではなく、出来る限り最初と同じ医療機関を再診するようにしてください。「この薬の効果がなければ次はこう考える」という二の手、三の手がある中で効く可能性の高いものから順に治療が行われるためと、最初の時点からの皮膚の様子の変化が経過を追う上で重要なためです。

現在の日本の医療体制では、「通院は近所のかかりつけ医、入院は地域の総合病院」といった分業と、医療機関同士の連携が重視されています。重症の患者さんが安心していつでも総合病院にかかれるように、総合病院でなくとも診療が行える病状の方は、できるだけ地域のクリニックを受診してもらうことで、住み分けを行うという形です。これには、地元に自分のかかりつけ医(主治医)を作ることで、その人の病状全体が把握できるというメリットもあり、必要あればその都度、病気ごとに専門の医師や医療機関と連携して診療を行います。

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