けっせつせいたはつどうみゃくえん
結節性多発動脈炎
内臓へ向かう動脈など、中等度の太さの血管の壁に炎症が起こる病気
6人の医師がチェック
89回の改訂
最終更新: 2018.01.15
結節性多発動脈炎の基礎知識
POINT 結節性多発動脈炎とは
内臓へ向かう動脈など、中等度の太さの血管の壁に炎症が起こる病気です。その結果、脳梗塞、消化管出血、心筋梗塞、腎障害、皮膚潰瘍、指の壊死などが起こります。また炎症を反映して発熱や体重減少も見られます。血液検査により炎症の原因を調べたり、血管の炎症の確認のため血管造影を行います。生検といって組織の一部を取ってきて、血管に炎症が起こっているかを確認することもあります。治療薬としてはステロイド、免疫抑制薬などの薬剤を使用します。気になる方はリウマチ内科、膠原病内科を受診してください。
結節性多発動脈炎について
- 大きな臓器へ向かう動脈など、中等度の太さの血管の壁に
炎症 が起こる病気 - 炎症が起きることで、動脈の壁が破壊されたり、内側の空間が狭くなり、血流が悪くなる
- 40~60歳、男性に多い(男女比は3:1)
結節性多発動脈炎の症状
結節性多発動脈炎の検査・診断
- 血液検査:体内で起こっている
炎症 の程度を調べる - 確定診断に必要な検査
組織診 :血管を採取して、構成する組織を顕微鏡で見て血管に炎症が起きているかを調べる(フィブリノイド壊死 という所見 が見られる)造影 :血管に造影剤を入れて血管の形に変化がないかを調べる
- 見極めが必要な病気(厚生労働省診断基準参照)
- 顕微鏡的多発血管炎
- 多発血管炎性肉芽腫症(ウェゲナー肉芽腫症)
- 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(
アレルギー 性肉芽腫 性血管炎) - 川崎病
- その他の
膠原病 (関節リウマチ、全身性エリテマトーデス) - IgA血管炎(シェーンライン・ヘノッホ症候群)
結節性多発動脈炎の治療法
- 2段階に
炎症 を抑える治療を行う- 寛解導入療法:炎症を抑える治療を行う初回は、しっかりと炎症を抑える意味で多めの薬を使う
- 寛解維持療法:寛解導入療法を行ったあとに、再度炎症が起こさない目的に薬の量を落として治療する
- 寛解導入療法
ステロイド薬 ステロイド を40-60mg/日くらい使用するステロイドパルス 療法と言って、短期間集中で普段よりも多い量のステロイド薬を使用することもある
免疫 抑制薬- シクロホスファミド点滴
静注 を使うことが多い
- シクロホスファミド点滴
- 寛解維持療法
- ステロイド薬
- ステロイドを5-10mg/日くらい使用する
- 免疫抑制剤
- アザチオプリンという免疫抑制剤を使うことが多い
- ステロイド薬