ちょうかんしゅっけつせいだいちょうきんかんせんしょう
腸管出血性大腸菌感染症
「ベロ毒素」という毒素を産生する大腸菌の感染症。ベロ毒素は腸や腎臓の細胞にダメージを与え下痢、血便、腎不全など起こす
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最終更新: 2023.03.13
腸管出血性大腸菌感染症の基礎知識
POINT 腸管出血性大腸菌感染症とは
大腸菌の産生するベロ毒素によって腸管がダメージを受けて血便の起こる病気です。毒素を出す大腸菌に汚染された食物を食べることで感染し、夏場に起こる事が多いです。主な症状は腹痛・下痢・血便などですが、重症になると意識障害や腎不全によるむくみなどを起こすことがあります。 便の中にベロ毒素があるかを調べて診断します。症状を和らげる治療(対症療法)を行います。抗菌薬を用いて大腸菌を殺してもベロ毒素をなくすことができないので、抗菌薬は無効であることに注意が必要です。腸管出血性大腸菌感染症が心配な人や治療したい人は、消化器内科や感染症内科を受診して下さい。
腸管出血性大腸菌感染症について
腸管出血性大腸菌感染症の症状
腸管出血性大腸菌感染症の検査・診断
- 便検査
- ベロ毒素検出は迅速検査で可能
- 病原体の種類を調べる
- HUSが起こっていないかを確認するために尿検査、血液検査で
腎機能 や血尿 の有無をチェックする
腸管出血性大腸菌感染症の治療法
腸管出血性大腸菌感染症に関連する治療薬
セフェム系抗菌薬
- 細菌の細胞壁合成を阻害し細菌を殺すことで抗菌作用をあらわす薬
- 細胞壁という防御壁をもつ細菌はこれがないと生きることができない
- 細菌の細胞壁合成に深く関わるペニシリン結合タンパク質(PBP)というものがある
- 本剤は細菌のPBPに作用し細胞壁合成を阻害することで細菌を殺す作用をあらわす
- 妊婦にも比較的安全に投与できるとされる
- 開発された世代によって第一世代〜第四世代に分けられる
- 各世代で、各種細菌へ対して、それぞれ得手・不得手がある
- 世代が同じであっても薬剤によって各種細菌に対して得手・不得手の違いが生じる場合がある