おうかくまくへるにあ
横隔膜ヘルニア
横隔膜に薄い部分があるため胃や小腸などが横隔膜の上側に飛び出した状態
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最終更新: 2017.12.06
横隔膜ヘルニアの基礎知識
POINT 横隔膜ヘルニアとは
横隔膜ヘルニアは横隔膜に薄い部分があるため胃や小腸などが横隔膜の上側に飛び出した状態です。生まれつきヘルニアのある場合と加齢とともにヘルニアになってしまう場合があります。主な症状は胸やけ・胸痛・飲み込みにくいなどになりますが、特に鉄欠乏性貧血を伴うことがあります。 症状や身体診察に加えて、画像検査や内視鏡検査で診断します。治療では胃酸を抑える薬を用いたり食事の摂り方を工夫したりします。症状がなかなか治らない場合は手術を行うこともあります。横隔膜ヘルニアが心配な人や治療したい人は、消化器内科や消化器外科を受診して下さい。
横隔膜ヘルニアについて
- 横隔膜に薄い部分があるため胃や小腸などが横隔膜の上側に飛び出した状態
- 飛び出しやすくなる原因は以下のものが考えられる
- 生まれつきの食道裂孔(食道が通っている横隔膜の穴)がゆるい
- 腹腔内圧(お腹の中の圧力)の上昇している
- 横隔膜を構成している組織がもろい
- 肥満
- 慢性の咳 など
- 主な原因
- 生まれつき
ヘルニア が起こっている先天性 横隔膜ヘルニア - 生まれた後からヘルニアの起こる場合を
後天性 横隔膜ヘルニアという- 多くの場合は高齢になってから、ひどい咳をしたときや腹部を
打撲 したときに生じる
- 多くの場合は高齢になってから、ひどい咳をしたときや腹部を
- 生まれつき
- 胃や小腸が飛び出す孔の位置によって呼び名が変わる
- 食道裂孔ヘルニア
- ボクダレック孔ヘルニア
- ラリー孔ヘルニア
- モルガニー孔ヘルニア
- 起こりやすい部位
- 最も多いのは後天性に発生する食道裂孔ヘルニア
- 先天性には
脾臓 の近くにあるボクダレック孔から飛び出すことが多い(ボクダレック孔ヘルニア)
- 食道裂孔ヘルニア、胆石症、大腸憩室症は肥満のある中年女性の多いと言われている
- 胃食道逆流症を起こしやすい
- 先天性横隔膜ヘルニアは難病指定疾患であるので、状況に応じて医療費補助の申請が可能である
横隔膜ヘルニアの症状
- 主な
症状 先天性 の場合- 出生直後から重度の呼吸障害や高度の
チアノーゼ を伴った多呼吸が見られる - 胸部は樽状に膨らみ、腹部は凹む
- 出生直後から重度の呼吸障害や高度の
後天性 の場合- 胸やけ
- 胸痛
- 飲み込みにくい
- 鉄欠乏性貧血
- 特徴的な症状
- 症状は立位(立った姿勢)や座位(座った姿勢)で軽くなり、臥位(寝た姿勢)や腹圧をかけると悪くなる
横隔膜ヘルニアの検査・診断
- 胸
腹部レントゲン 検査:ヘルニア の有無を調べる上部消化管造影検査
上部消化管内視鏡 :横隔膜の状態を調べる胸部CT検査 :横隔膜の状態を調べる