吹き矢を吹いたら内臓が飛び出した78歳男性、どう対処する?
腹腔鏡手術は緊急事態にも出番があります。非常にまれな、成人の「ボクダレック孔ヘルニア」に対して腹腔鏡手術が行われた例が報告されました。治療された人は直前に吹き矢を吹いていた78歳男性でした。
◆ボクダレック孔ヘルニアとは?
ボクダレック孔(こう)ヘルニアは、ほとんどが赤ちゃんに起こる
◆吹き矢を拭いていたら腸が飛び出した男性
防衛医大の研究チームから、成人のボクダレック孔ヘルニアを
報告されている患者は78歳男性で、吹き矢を2時間吹いたあと急激な腹部全体の痛みがあり受診しました。
◆腹腔鏡手術で無事回復
この男性は腹腔鏡手術で腸を修復する治療を受けました。
7日後に退院となり、2週間後のレントゲン写真で再発はありませんでした。
成人のボクダレック孔ヘルニアはまれなので、吹き矢が危ないかどうかはこの1人の例からはわかりません。こうした予想外の事態にも対処例が報告され共有されることには、緊急の治療について知見を積み上げ、少しずつ判断を確かにしていく意義があります。
執筆者
Successful laparoscopic repair of an incarcerated Bochdalek hernia associated with increased intra-abdominal pressure during use of blow gun: A case report.
Int J Surg Case Rep. 2016.
[PMID: 27111876]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。