こうかせいいしゅくせいたいせん
硬化性萎縮性苔癬
外陰部の粘膜に起こる病気。思春期や中年以降の女性に多い。粘膜や皮膚が白く変色し、進行した場合はびらんや水疱などができることがある
5人の医師がチェック 48回の改訂 最終更新: 2022.04.13

硬化性萎縮性苔癬の基礎知識

POINT 硬化性萎縮性苔癬とは

外陰部の粘膜や白く変色して、ただれたり(びらん)えぐれたり(潰瘍)する病気です。中年以降の女性に多いです。原因は不明ですが、リンパ球による慢性的な炎症が関係していると考えられ、少しずつ大きくなっていく特徴があります。治療にはステロイドが含まれた塗り薬を使い、がんに変化することもあるので、慎重に経過が見られます。硬化性萎縮性苔癬が心配な人は皮膚科を受診してください。

硬化性萎縮性苔癬について

  • 詳細な原因は不明であるが、リンパ球による慢性的炎症が関与していると考えられている
  • 中年以降の女性に多い、外陰部の粘膜の病気
    • 思春期や閉経前後の女性に多いと言われている
    • 男性よりも女性に多い(男女比=1:10)
    • 外陰部以外に症状が出ることは珍しい
  • 遺伝しない病気と考えられている
  • 男女ともに外陰部に症状が出やすい
    • 女性の場合
      • 膣を中心とした部位に光沢や盛り上がりのある皮疹が出てくる
      • 皮疹の表面がただれたり出血したりすることがある
    • 男性の場合
      • 亀頭包皮の内側や亀頭に光沢や盛り上がりのある皮疹が出てくる
      • 尿の出てくる部分まで皮疹が及ぶと尿が出しづらくなる

硬化性萎縮性苔癬の症状

  • 外陰部や肛門周囲にかけて粘膜や皮膚が白く変色する
    • 徐々に大きさは広がり、またびらん水疱などができる場合もある
  • かゆみや痛みを伴うことも多い

硬化性萎縮性苔癬の検査・診断

  • 視診と病理検査で診断する
  • 外陰部の掻痒を来たす疾患と鑑別をする
    • 性器カンジダ
    • トリコモナス
    • 下着や生理用品などによる接触性皮膚炎

硬化性萎縮性苔癬の治療法

  • 皮疹が根強く治らない場合は、強力なステロイド軟膏(デルモベートなど)を使用することがある
    • ステロイドを使うと真菌感染(特にカンジダ症)のリスクが上がるので清潔に保つことが重要
    • また、真菌感染の有無の確認のために定期的に通院することも必要
  • がん化することがあるので、継続的な治療が重要

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