けっきょう
血胸
肺の外側の胸腔に血液が溜まった状態
4人の医師がチェック 66回の改訂 最終更新: 2018.02.28

血胸の基礎知識

POINT 血胸とは

肋骨や肋間筋で囲まれたスペースである胸腔に血液が溜まった状態です。血液が溜まる原因は多く、主なものとして外傷・腫瘍・手術などが挙げられます。よく出現する症状は胸痛や息苦しさですが、貧血症状が悪化するとチアノーゼや冷や汗、意識もうろう状態などが現れます。 身体所見・画像検査(レントゲン検査・CT検査)・エコー検査・胸腔穿刺などを踏まえて診断します。溜まっている血液が少ない場合は特に治療の必要はありませんが、血液が多い場合や血胸による症状が出ている場合はドレナージ(体外から管を入れて血液を排出する処置)を行ったり手術を行ったりします。貧血が高度な場合には輸血を行うこともあります。血胸が心配な人や治療したい人は、呼吸器外科や救急科を受診して下さい。

血胸について

  • 胸腔内に血液が貯まった状態
    • 胸腔とは肋骨や肋間筋で囲まれたスペースのことであり、正常では肺で埋まっている
  • 主な原因
    • 外傷(肋骨の骨折や刺し傷など)
    • 医原性損傷(手術後、カテーテル挿入後、胸腔穿刺後など)
    • 腫瘍肺癌転移性腫瘍など)
    • 大動脈瘤破裂
    • 梗塞
    • 血栓薬の使用に伴う出血

血胸の症状

  • 主な症状
    • 胸痛
    • 息苦しさ
    • 咳 など
  • 胸腔に血液が溜まり縦隔が圧迫されると、貧血や、心臓のポンプ機能低下によるショック状態を起こすことがある
    • 呼吸困難
    • チアノーゼ(皮膚や粘膜が青紫になる)
    • 顔面蒼白
    • 頻脈
    • 四肢冷汗、冷感 など

血胸の検査・診断

  • 身体診察:打診、聴診
  • 画像検査:胸腔の液体成分の貯留を確認する
    • 胸部レントゲンX線)検査
    • 胸部CT検査
    • 超音波(エコー)検査
  • 胸腔穿刺:胸腔にたまっている液体成分を針を刺して抜き取る
    • 診断の確定に重要
  • 必要に応じて原因を調べるために心臓の検査や、全身状態の検査(貧血のチェック)のための血液検査などを行う

血胸の治療法

  • 胸腔内の血液が少量の場合には、特に治療は行わずに様子を見る
  • 胸腔内に貯まった血液量が多い場合は胸腔ドレーンを挿入して胸腔内から体外へ抜く
    • 出血が持続しドレーンから回収される血液量が減らない場合は、出血源を見つけ止血する目的に血管内治療や手術が必要となることがある
    • 出血がひどい場合は輸血が必要となる場合がある

血胸の経過と病院探しのポイント

血胸でお困りの方

肺の周りに血液が溜まってしまった状態を血胸と呼びますが、肺からの出血、胸の動脈からの出血など原因は様々です。血胸は一つの病気というよりは症状・状態ですので、溜まった血液を取り除くための治療と、血胸に至った原因に対する治療が両方必要です。

胸に溜まった血液が少量であれば、特に治療を行わず自然に吸収されるのを待つことも可能です。しかし少量であってもその瞬間も血液が溜まり続けている場合や、ある程度以上の血胸の場合には、胸腔穿刺や胸腔ドレナージといって、胸に針を刺して溜まった血液を抜き出す治療を行います。この場合、原則として入院が必要となります。

胸腔穿刺、胸腔ドレナージを行ってもその後の回復が良くない場合、そして根本的な出血の原因を取り除くためには手術を行います。

大切なのは血胸の原因をつきとめて治療につなげることです。交通事故などの外傷であれば原因は一目瞭然なのですが、特にケガを負ったようなこともない中で血胸だけが見つかったとなると、肺の腫瘍や血管の異常などが考えられます。レントゲンとCT検査が基本的な検査ですが、それ以上となると気管支鏡検査、胸腔鏡検査など専門的な検査が必要となることがあります。その場合には呼吸器外科が専門の科です。呼吸器外科のある病院や、呼吸器外科専門医のいる病院で詳しい検査を検討することも選択肢の一つでしょう。

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