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大腿骨遠位部骨折
太ももにある骨(大腿骨)の膝に近い部分で起こった骨折
4人の医師がチェック 64回の改訂 最終更新: 2018.06.09

大腿骨遠位部骨折の基礎知識

POINT 大腿骨遠位部骨折とは

太ももには大腿骨という太い骨が一本通っています。大腿骨のうち股関節に近い部分を近位部、膝に近い部分を遠位部、それらの中間を骨幹部と呼びます。大腿骨遠位部骨折は、高齢者では骨粗鬆症のある方が転倒した場合、若い人では交通事故や転落事故の場合に起こることが多いです。症状としては膝の周囲に強い痛みが生じて歩行が困難になります。診断は診察とレントゲン(X線)検査で行います。骨折が膝の関節まで及んでいるかどうか調べるためにCT検査も行うことが多いです。治療は原則として手術を行います。大腿骨遠位部骨折が心配な方や治療したい方は整形外科や救急科を受診してください。

大腿骨遠位部骨折について

  • 太ももにある骨(大腿骨)の膝に近い部分で起こる骨折
  • 転倒や交通事故などの強い外力が、太ももの骨に伝わり骨折する
  • 高齢者に多い
    • 高齢者は骨粗しょう症の場合が多く、比較的軽い衝撃で骨折するため
    • 若い人の場合には、交通事故や転落事故などの大きい衝撃によって骨折することが多い

大腿骨遠位部骨折の症状

  • 膝の痛み
    • 骨折直後は歩行が不可能
  • 膝の腫れ
  • 関節の可動範囲が狭くなる
  • 筋力低下

大腿骨遠位部骨折の検査・診断

  • 画像検査
    • レントゲンX線)検査:骨折の有無、ずれを調べる
    • CT検査:レントゲンではわからない、骨折の有無、ずれを調べる
      ・膝関節まで骨折が及んでいるかどうか正確に把握して治療方法を決定する必要があり、大腿骨遠位部骨折ではCT検査を行うことが多い
  • 採血検査
    • 骨折に伴う出血の程度、貧血の有無を調べる
    • 手術に耐えられる全身状態かどうか調べる

大腿骨遠位部骨折の治療法

  • 保存療法:牽引しながらギプス固定を行う
    • 骨のズレがなければ行うことがあるが、最終的に膝の動きが悪くなる、長期間寝たきりになる、などのデメリットが大きいので、もともと寝たきりの方や、手術がよほど危険な場合でない限りは手術を行うことが一般的
  • 手術
    • 若い人の場合や、膝関節まで及ぶ骨折ではプレートとネジで固定することが多い
    • 高齢者の場合や、単純な骨折では、骨の中にクギを打ち込んで固定することが多い
  • リハビリテーション
    • 筋力トレーニング
    • 膝の可動範囲を広げる練習
    • 歩く練習、日常生活の動きを改善する練習
  • 後遺症が残ることが多い
  • 和式便座が使えなくなる人もいる
  • 体重をかけられるようになるまでには6-8週間かかることが多い

大腿骨遠位部骨折の経過と病院探しのポイント

大腿骨遠位部骨折が心配な方

大腿骨遠位部骨折は、大腿骨(太ももの骨)のうち膝に近い部分に起きる骨折で、高齢者が転倒したり、交通事故などで大きな衝撃が加わった際に生じやすい外傷です。このような事故の後から太ももが痛くて足が動かせない場合には、大腿骨遠位部骨折の可能性があります。それ以外に似た症状を来たす外傷としては肉離れ筋断裂)や靭帯損傷などがあります。骨が明らかに曲がっているといったような場合はすぐに分かりますが、それ以外のときにご自身で大腿骨遠位部骨折と診断するのは必ずしも容易ではありません。

ご自身の症状が大腿骨の骨折でないかと心配になった時、まずは整形外科のクリニックや、お近くの救急外来を受診されることをお勧めします。痛みで全く立ち上がれないという時には救急車での受診が適切でしょう。歩いての受診が可能で、結果的に骨折ではなく筋肉の問題であればクリニックで対応が可能です。実際に医療機関を受診された後は、大腿骨骨折の診断は診察とレントゲン(X線)検査で行います。場合によってはCT検査や超音波(エコー)検査を補助的に使用します。もし診断が大腿骨遠位部骨折で手術が必要そうな場合には、レントゲンやその他行われた診察、検査の結果をまとめた診療情報提供書(紹介状)とともに、手術可能な病院を紹介してくれます。

受診先として、総合病院の救急外来は相対的に待ち時間が少ないというメリットもある一方で、専門の整形外科医ではなく広く浅く診察をする救急医やその他の当番医が初期対応に当たることも多いです(日中は救急外来が開いていないこともあります)。総合病院の整形外科外来は、飛び込みで受診するには患者数が多く(待ち時間が長く)、また診療情報提供書を持っていないと受診ができなかったり、追加料金が必要となったりします。

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大腿骨遠位部骨折でお困りの方

大腿骨遠位部骨折の場合、軽度のものを除いて原則は手術が必要となります。ただしご高齢の方や心臓、肺、その他の臓器に持病がある方などで手術を行うリスクが大きい場合には、自然に骨がつくのを待つこともあります。大腿骨遠位部骨折は、診断がつき次第その場で治療が開始されますので、どこでどのような治療を受けるかを迷う余地は少ない疾患かもしれません。

手術後は、あまり安静にし過ぎているとかえって関節が固まって動かしづらくなってしまうため、痛みに耐えられる範囲で早期からリハビリテーションを開始していきます。

ご高齢の方で入院中に筋力が低下してしまったり、以前のように歩くことが難しくなってしまった場合には長期間のリハビリテーションが必要となります。一人で日常生活を行うことができないような場合には、急性期病院から回復期病院(リハビリ病院、療養型病院)に転院して、リハビリを行います。

急性期病院にも一般的にリハビリの施設はついていますが、回復期病院の方がリハビリに専念しやすい環境が整っています。一緒にリハビリを行うことになるのは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったスタッフですが、患者さん一人あたりのスタッフ数や、リハビリ設備(リハビリ室や器具)の充実度といったところが病院を探す上で参考になります。リハビリの回数が1日1回なのか、それとも午前と午後で2回あるのか、1日に受けられるリハビリの総時間、土日はどうかといった点も、回復期の病院を探す上でのポイントとなります。

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