きゅうせいきかんしえん
急性気管支炎
気管支の炎症で、激しい咳や痰をともなうようになった状態
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最終更新: 2020.02.16
急性気管支炎の基礎知識
POINT 急性気管支炎とは
急性気管支炎は気管支に炎症の起こる病気です。多くの場合はウイルスの感染が原因になりますが、時に細菌による感染を合併することがあります。主な症状は咳・痰・発熱・だるさ・息苦しさなどです。 症状や身体所見で診察されますが、必要に応じて画像検査や血液検査を行います。多くの場合、治療に特効薬はありません。状態によって去痰薬や抗菌薬、吸入薬などが用いられます。急性気管支炎が心配な人や治療したい人は、一般内科/呼吸器内科や小児科を受診して下さい。
急性気管支炎について
急性気管支炎の症状
- 鼻水やのどの痛みに引き続き、3-4日目から咳や発熱などがみられることが多い
- 主な症状
- 咳
- 痰
- 発熱
- 食欲低下
- 全身のだるさ
- 以下は乳幼児で重症化した時にみられる
喘鳴 (呼吸の度にゼーゼー・ヒューヒューと聞こえる)- 呼吸回数が多くなる
- 肋骨の下や鎖骨の間がへこむような呼吸、体全体を使った「肩で息をする」ような呼吸
- 痰の性状は「透明・さらさら」から「黄色・ねばねば」に変化することが多い
細菌 感染や重症化を意味しているわけではなく、急性気管支炎の自然の経過
- 小児では、痰を飲み込んでしまうことや強い咳き込みにより嘔吐することもある
- 5-10日以内に症状は軽くなることが多く、完全に症状が消えるまで約2週間かかる
急性気管支炎の検査・診断
急性気管支炎の治療法
急性気管支炎に関連する治療薬
アセトアミノフェン製剤
- 脳の体温調節中枢や中枢神経などに作用して熱を下げたり、痛みを抑えたりする薬
- 発熱は脳の体温調節中枢に情報が伝わり、体温調節中枢から発熱の指令が身体の各部に伝わることで生じる
- アセトアミノフェンは体温調節中枢に作用し、熱を体外へ逃がす作用を増強する
- アセトアミノフェンは発熱や痛みの情報を伝える物質を阻害する作用をあらわす
去痰薬
- 病原体や異物などを痰や鼻汁によって体外へ排出しやすくすることで気管支の炎症や喘息、慢性副鼻腔炎などによる症状を和らげる薬
- 痰や鼻汁には粘性の分泌物が含まれ、粘膜保護や異物をからめとり排出する作用などがある
- 粘性の分泌物が気道や鼻腔でつまると咳や蓄膿症などを誘発する場合もある
- 本剤は気道分泌促進作用、粘液などの排出促進作用などをあらわす
- 本剤は薬剤の作用などにより、気道粘液分泌促進薬や喀痰溶解薬などに分けられる
β2刺激薬(内服薬・外用貼付薬)
- 気管支のβ2受容体を刺激し気管支を拡張させることで喘息などによる咳や息苦しさなどを改善する薬
- 喘息では気管支の炎症により気道が狭くなっていて、咳の発作や息苦しさなどがあらわれる
- 気管支にあるβ2受容体というものを刺激すると気管支が広がる
- 本剤はβ2刺激作用により気管支を広げる作用をあらわす
- 薬剤によっては慢性気管支炎などに使われるものもある
- 薬の効果持続時間の違いによる分類
- 一般的に、効果持続時間によって内服薬は長時間型、中時間型(長時間型と短時間型の中間)、短時間型に分けられる