2015.12.27 | ニュース

福岡でPM2.5が飛ぶと救急車出動頻度が変わる

176,123回の搬送を分析

from Journal of epidemiology and community health

福岡でPM2.5が飛ぶと救急車出動頻度が変わる の写真

PM2.5は、直径が2.5μm以下の小さな粒子の総称で、大気汚染の原因のひとつとなる物質です。粒子が小さいため、肺に入りやすく、呼吸器疾患や循環器疾患を発症する可能性があります。今回は、PM2.5の発生と救急搬送の頻度の関連性を検証しました。

◆PM2.5と救急搬送の頻度は関連するか?

今回の研究では、福岡市で記録されたPM2.5の濃度と救急車で搬送された頻度の関連性を検証しました。救急車で搬送された理由は、急性に健康を害した場合としました。

 

◆PM2.5の濃度と救急車による救急搬送はわずかに関連している

以下の結果が得られました。

PM2.5への曝露は、全体的に救急車による救急搬送と(lag0-1、オッズ比1.008、95%信頼区間1.002-1.014)と呼吸器疾患による搬送(lag0-1、オッズ比1.027、95%信頼区間1.007-1.048)と関連していた。

PM2.5の濃度と呼吸器疾患による救急搬送の頻度はわずかに関連しているという結果でした。

 

今回の研究では救急搬送との関連性を検証しているため、実際にPM2.5による病気のみを捉えられているわけではありません。しかし、わずかではありながらも、これらの関連性が見られたことは、PM2.5の影響がある可能性も否定できないため、今後詳細な検証がされることを期待します。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Impact of short-term exposure to fine particulate matter on emergency ambulance dispatches in Japan.

J Epidemiol Community Health. 2015 Jan

[PMID: 25234341]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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