2015.04.30 | ニュース

黄砂が観測された日は、急性心筋梗塞のリスクが増大

福岡の研究チームが患者3,068例を調査

from Circulation. Cardiovascular quality and outcomes

黄砂が観測された日は、急性心筋梗塞のリスクが増大の写真

近年になり、黄砂による健康被害への懸念が高まっています。 今回、福岡の研究チームが中国やモンゴルから吹かれてくる黄砂が急性心筋梗塞に関わることを報告しました。

◆急性心筋梗塞とは?

急性心筋梗塞とは、心臓の筋肉に酸素や栄養を送る血管(冠動脈)が急に詰まってしまい、心臓の筋肉がダメージを受けた状態のことです。
前兆が見られないことも多く、突然激しい胸や背中の痛みが続くといった症状があらわれます。

(詳細はこちらをご覧ください。http://medley.life/diseases/item/54b686f66ef458f804f19987)

 

◆7年にわたり急性心筋梗塞3,068例を調査

2003年から2010年にかけて福岡と東京の計4つの病院の急性心筋梗塞患者3,068例のデータを調査し、黄砂の観測データと発症リスクの関連性を分析しました。

 

◆黄砂観測4日後に発症リスクもっとも増大

結果、黄砂が観測された当日から4日後に急性心筋梗塞になるリスクは黄砂が観測されない日に比べオッズ比1.20倍大きいことがわかりました。
また、黄砂が観測された4日後に急性心筋梗塞になるリスクは1.33倍大きいという結果を示しています。


今回の研究結果から、黄砂にさらされることと急性心筋梗塞の発症には関連があるようです。
黄砂が観測された場合はマスク着用を心がけるなど気をつける必要があるかもしれません。

執筆者

佐々木 康治

参考文献

Desert dust is a risk factor for the incidence of acute myocardial infarction in Western Japan.

Circ Cardiovasc Qual Outcomes 2014 Sep

[PMID: 25074374]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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