くらいんふぇるたーしょうこうぐん
クラインフェルター症候群
性染色体の異常が原因の病気で男性に生じる。生まれつき男性ホルモンが減少しており、言語障害や不妊などの症状が現れる
7人の医師がチェック 89回の改訂 最終更新: 2022.02.09

クラインフェルター症候群の基礎知識

POINT クラインフェルター症候群とは

男性に生じる性染色体の異常による病気です。男性不妊の原因になります。身体的な特徴は「精巣の発達がない(抗睾丸が小さい)」「高身長」「手足が長い」などです。糖尿病を発症しやすいことも知られています。診断は染色体検査などで行い、男性ホルモン補充療法などで治療します。クラインフェルター症候群が心配な人は内分泌内科泌尿器科を受診して相談してみてください。クラインフェルター症候群の人で不妊治療を希望する場合は男性不妊の専門医がいる泌尿器科で治療を受けることができます。

クラインフェルター症候群について

  • 男性に生じる、性染色体の異常が原因の病気
    • 生まれつき男性ホルモンが減少しており、言語障害や不妊などの症状が生じることがある
    • 身体的特徴として、手足が長くひょろっとした体型になる場合が多い
  • 通常、男性の性染色体は「XY」であるが、クラインフェルター症候群では「XXY」となっている
  • 男性のみにみられ、新生児1万人に対して1人の割合で発生する

クラインフェルター症候群の症状

  • 男性ホルモンの減少により男性の女性化や不妊がみられる
  • 思春期に精巣の発達が進まず、無精子症になり、不妊の原因となる(外性器の発達はほぼ正常)
  • 思春期に胸が少し膨らむ(女性化乳房)
  • 男性にはまれな乳がん発症する場合がある
  • 知的水準は正常かやや低めになりやすい
    • 言語(特に発話)に影響が出やすい
  • 糖尿病になりやすい体質も伴う

クラインフェルター症候群の検査・診断

  • 染色体検査
    • 血液から採取したX染色体の数を調べる
    • 直接的に調べる機会があまりないため、不妊治療の際に初めて診断されることも多い

クラインフェルター症候群の治療法

  • 男性ホルモンテストステロン)を筋肉注射することにより、正常男性に近い性腺機能を維持できることもある
  • 不妊に対する顕微鏡下精巣内精子回収術と卵巣細胞質内精子注入術で治療が可能な場合がある
  • 言語の遅れがある場合は言語療法が有効である

クラインフェルター症候群のタグ

クラインフェルター症候群に関わるからだの部位