しぼうにくしゅ
脂肪肉腫
脂肪を含んだ細胞が悪性化した悪性腫瘍(がん)
9人の医師がチェック 129回の改訂 最終更新: 2018.08.24

脂肪肉腫の基礎知識

POINT 脂肪肉腫とは

脂肪細胞に似た腫瘍細胞が増殖する病気で、悪性腫瘍に分類されます。転移や浸潤(周りの組織に入り込んでいくこと)を起こすことがあります。脂肪肉腫は四肢に発生することが多く、太ももに多いとされていますが、全身のどこにでも発生する可能性があるので、お腹にもできます。脂肪肉腫でも悪性度に幅があり、高分化型脂肪肉腫は治療によって治ることが多いのですが、脱分化型脂肪肉腫は悪性度が高く治療が難しいです。無症状のこともありますが、腫瘤感(コブができた感じ)や神経の圧迫によるしびれなどさまざまな症状が現れます。手術を主体とした治療が行なわれ、腫瘍を小さくする目的で手術の前に抗がん剤治療が行なわれることもあります。脱分化型は再発が多いことが知られているので、長期の経過観察が必要です。再発時の治療は定まってはいませんが、手術もしくは抗がん剤治療、放射線治療が行なわれます。

脂肪肉腫について

  • 脂肪を含んだ細胞が悪性化した悪性腫瘍がん
    • 身体全体に発生しうるが、中でも太ももに多い
  • 主な原因
    • 遺伝性があるという報告がある
    • 粘液型脂肪肉腫では、染色体の異常が関係していると言われている
  • 軟部肉腫の9.8-18%を占める
    • 30-60歳の男性にやや多い
  • 分類
    • 顕微鏡検査の所見によって大きく4つに分類される(悪性度が低い順)
      ・高分化型脂肪肉腫
      ・粘液型脂肪肉腫
      ・多形型脂肪肉腫
      ・脱分化脂肪肉腫

脂肪肉腫の症状

  • 手足や体の表面に、急に大きくなる腫瘤(こぶ)ができる
    • 腫瘤はゆっくりと成長し、痛みはほとんど自覚されない
    • 15cmくらいの大きさで発見されることもある
    • 神経を圧迫すると、手足の麻痺頻尿便秘などの症状が出現することもある
    • 骨盤腔内に発生した場合、周囲の器官を圧迫するため、さまざまな症状が現れる
  • 進行すると、がんの細胞が血液やリンパ液の流れに乗ってほかの臓器に転移する
    • 肺への転移が最も多い

脂肪肉腫の検査・診断

  • 画像検査:腫瘍の有無、大きさや位置などを調べる
    • レントゲン検査
    • CT検査
    • MRI検査
  • 組織診:脂肪組織の一部を切り取りか針をさすことで、脂肪組織にできた腫瘍ががんでないか調べる
    • この検査で詳しく腫瘍の様子を診ることで診断に至る

脂肪肉腫の治療法

  • 基本的な治療方針と治療方法
    • 原則的には手術による治療が行われる
    • 周りの臓器を含めて大きく切除する「広範腫瘍切除術」という手術法が原則
    • 切除手術で腫瘍を摘出しきれなかった場合や、切除ができない場合には、放射線療法化学療法(分子標的薬を含む)が行われる
  • 長期的な経過
    • 病気のタイプにより想定される経過が変わる
      ・分化型が最も経過が良い
      ・脱分化型は再発が多く、経過も良くない
       ・再発は局所再発が最も多い
    • 腫瘍が切除された後も、定期的な受診や検査など経過観察が続けられる
医師登録をしてMEDLEYの編集に協力する